2005 Fiscal Year Annual Research Report
SuperDARNレーダー生時系列観測解析手法による極域電磁圏ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
16540410
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
堤 雅基 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (80280535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敬祐 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80361830)
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Keywords | SuperDARN / 極域電磁圏 / 極域中間圏 / 電離圏F層電場 / 極域中間圏夏期エコー / 流星風 / 高時間空間分解能観測 / 時系列観測 |
Research Abstract |
-空間分解能向上を目指した観測手法開発と、電離層沿磁力線不規則構造の研究 ・昭和基地SuperDARNレーダー2基のうちの1基を2周波数で同時運用可能とし、従来のアナログ受信機とともにデジタル受信機の利用も可能とした。デジタル受信機には、従来のアナログ受信機と比べ受信周波数や帯域幅の設定に柔軟性がある。また、20本のアンテナの各出力を、位相マトリクスを経由せずに直接デジタル受信機へ入力する手法により、多チャンネル化への道を開いた。これによりソフトウエア的に任意の位相の畳重が可能となり、ビーム幅よりも細かい空間構造を探るイメージング技法を適用する準備が整った。SuperDARNレーダーの弱点である空間分解能の低さを補う手法への発展が期待される。 ・上記と平行し、それぞれ4および25チャンネルの受信機を持つ昭和基地MFレーダーと京都大学MUレーダーを用いた流星エコー観測を実施した。多チャンネル受信を生かした受信ビーム走査による高SN化を実現し、SuperDARNレーダーによる流星観測手法を改良するための基礎データが得られた。 -夏季中間圏レーダーエコー(Polar Mesosphere Summer Echoes : PMSE)の汎地球的分布 SuperDARNの近距離レンジ観測からPMSEを抽出するアルゴリズムを開発した。南北半球15基のレーダーによる観測データからPMSE発生頻度の緯度分布を導出した結果、南北半球差が存在することに加え、緯度60度以上の領域では緯度が高くなるにつれてPMSEの出現頻度が増大することが示された。より低緯度の領域においては、現状の抽出アルゴリズムではスポラディックE層などのエコーとPMSEを弁別することができず、来年度は生時系列データを組み込むことで、PMSE検出プロセスをより精度の高いものにする予定である。
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