2005 Fiscal Year Annual Research Report
現生ハラフシグモ類の系統から古生代デボン紀の陸上節足動物相の一端を探る
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16540431
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
小野 展嗣 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (50167326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 和彦 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (50000138)
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Keywords | 系統分類学 / 古生物学 / 古生代 / デボン紀 / 化石 / クモ綱 / ハラフシグモ科 |
Research Abstract |
1.現生ハラフシグモ類の現地調査(代表者・小野) 鹿児島県屋久島において、採集調査を行なった。調査地では、海岸近くの低地林から山岳地域に位置する原生林にかけて好適な調査地を選定し、クモを地中より掘り出して採取した。同時に、植生や土壌の性質(とくに土質や湿り気、植物の根のはり具合、表面のコケ等の有無など)、食餌動物の生態学的データを記録した。この調査に国内旅費、消耗品費等を要した。 2.現生クモ類標本および化石標本の系統分類学的研究(代表者・小野、分担者・植村) 国立科学博物館が所蔵しているおもに東アジア産のハラフシグモ類の未整理標本、ならびに日本およびブラジル産の化石標本、また屋久島の現地調査で得られた資料、共同研究者から提供された化石標本などの一部を研究した。作業の内容は、解剖、研摩、薬品処理、撮影、描画、測定等多岐にわたった。そのうち高度の技術を要するものを代表者および分担者が、またその補助をアルバイトが担当した。設備は国立科学博物館に現有のものを利用し、本予算からは人件費および消耗品費のみを使用した。 3.海外共同研究者との研究打ち合わせ(代表者・小野) 海外旅費を使用しオーストラリア博物館を訪問して、Michael Gray研究員からジョウゴグモ科およびオオツチグモ科などの原疣類およびその化石クモに関する情報を入手した。 4.年度のまとめ(代表者・小野、分担者・植村) 以上の結果を踏まえて3論文を発表した。また、8月に兵庫県にて開催された日本蜘蛛学会第37回大会に研究代表者が出席し「ベトナム最北部のキムラグモ類の1種およびハラフシグモ類の多様性」(小野展嗣・Paul A. Selden)の題で講演を行なった。また、国内研究者との打ち合わせのために国内旅費を使用したほか、別刷購入費を要した。
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