2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンドライト構成物質の熱履歴及び母天体の形成過程に関する研究
Project/Area Number |
16540435
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 眞 茨城大学, 理学部, 教授 (20142226)
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Keywords | 隕石 / コンドライト / 母天体 / 熱変性作用 / 金属鉄 / スピネル |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下のとおりである. 1)難揮発性包有物とコンドルールの研究:各種コンドライト中の包有物の分析を行い,さらに学外研究者との共同研究による希土類元素などの微量元素分析,酸素同位体分析をあわせ,包有物やコンドルールの原始太陽系星雲内における形成過程の詳細を検討した.特に,カンラン石に富む包有物は従来はあまり研究対象となってこなかったが,これらはメリライトなどを含むより難揮発性の包有物とコンドルールを成因的につなぐ重要な構成物質であることが明らかになってきた. 2)熱変成作用の研究:各種コンドライト中の金属鉱物,硫化鉱物,酸化鉱物,シリカ鉱物,燐酸塩鉱物などの特徴を詳細に記載,分析し,従来珪酸塩鉱物から得られている知見を参照しながらコンドライトの熱履歴を明らかにした.これらの鉱物(特に金属鉄とスピネル)はコンドライトの熱変成作用の定量的指標になることが明らかになった.またこれらの鉱物はコンドライトの変成度の最も有効な指標となることも明らかにした. 3)衝撃変成作用の研究:衝撃変成作用を反映する高圧鉱物の記載,分析に基づいて,太陽系初期の天体衝突現象を検討した,特に高圧鉱物が逆転移している現象を初めて発見し,その転移速度を議論した,また隕石母天体に加わった衝撃圧力,衝突天体の物理条件を明らかにした. 以上,得られた成果は国際隕石学会およびアメリカで開かれたシンポジウムで発表した.また国内の鉱物学会でも発表を行った.
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