2005 Fiscal Year Annual Research Report
高周波誘導加熱式高温ダイヤモンドアンビルセルの開発とラマン分光学的応用
Project/Area Number |
16540441
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
篠田 圭司 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40221296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 智男 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (40260666)
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Keywords | 高周波誘導加熱 / ダイヤモンドアンドルセル / ラマン分光 |
Research Abstract |
平成16年度に組み立てた高周波誘導加熱装置と、高周波誘導加熱に特化したダイヤモンドアンビルセル(IH-DAC)を用いて、高周波誘導加熱側の出力と、発生温度の校正曲線を作成した。また、石英-コーサイト相転移の直接観察を行った。 試料部の測温のために、数種の融点既知物質の融解の直接観察と、シリコンのラマン散乱光のストークス線とアンチストークス線の強度比からDAC内の試料の温度を直接測定することを試みた。ストークス線(I_S)とアンチストークス線(I_<aS>)の強度比は、格子振動のエネルギーを用いたボルツマン因子で表現される。リンカム社製高温ステージを用いてシリコンの試料温度とI_<aS>/I_S比を測定し、試料温度とI_<aS>/I_S比から求められる温度がよい相関を示すことを確認した後、誘導加熱によるDACの昇温時のI_<aS>/I_S比から試料温度を直接測定した。この校正曲線により一般の試料の試料温度の直接測定が可能になる。加熱様式として以下の二つの材料の組み合わせを試した。台座をWCで製作しガスケットをφ4のレニウム板を用いる場合と、台座をSiNで製作しガスケットとしてφ10・t1.5mmのSUSでφ4のレニウムを挟みSUSを溶接したハイブリッドガスケットを用いた場合である。前者は台座の加熱により高温発生を目指したもので、後者はガスケット部の加熱により高温発生を目指している。前者の加熱効率が後者の加熱効率に比べて勝り、800℃程度へ容易に昇温できた。従って、誘導加熱による昇温法は台座を加熱する方法が有望である。 単結晶と粉末の石英を出発物質として、石英の高圧相のコーサイトへの相転移をIH-DACを用いて直接観察した。相の同定はラマンスペクトルを用いた。高温高圧下で石英がコーサイトへ相転移する様子が直接観察でき、転移量と転移時間から相転移の機構について考察した。
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