2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁場を横切る粒子加速と電界発生によるプラズマ構造形成
| Project/Area Number |
16540449
|
|---|
| Research Institution | Ehime University |
|---|
Principal Investigator |
菅谷 礼爾 愛媛大学, 理学部, 教授 (30036397)
|
|---|
| Keywords | 磁化プラズマ / 非線形波動 / 磁場を横切る粒子加速 / ダイナモ効果 / 電界発生 / プラズマ輸送 / 乱流拡散 / プラズマ構造形成 |
|---|
| Research Abstract |
I.電子ビーム・プラズマ系におけるプラズマ構造形成の数値解析により次の事が明らかにされた。
(1)非線形静電波による磁場を横切るプラズマ電子加速と加熱を表す輸送方程式及び乱流プラズマ波動による異常拡散を組み入れた電磁流体方程式の数値解析を3次元のモデリングを用いて行なった。即ち、プラズマ電子ドリフト速度、電界、電子温度、電子密度の3次元プロフィルの時間変化が詳細に明らかにされた。
(2)一般化されたオームの法則に基づきドリフト速度とプラズマ電子の圧力勾配で発生電界が決定される。静電波のランダウ減衰によってプラズマ電子がx軸方向に加速され、このドリフトのダイナモ効果によりy軸方向の電界が発生する。この電界がつくるx及びz軸方向の電界はポアッソン方程式により与えられる。更に、x軸方向電界はE×Bドリフトによってy軸方向のプラズマ電子ドリフトを生じさせる。これらのドリフトが電子ビーム・プラズマ系の中心部に電子ホール状の加熱領域(ラーマー半径程度)を生じさせる事を明らかにした。
(3)中心部からのプラズマ電子の輸送によりプラズマ崩壊に至るが、空間的に成長した静電波動の乱流拡散によりプラズマ電子は中心部に向かって拡散し、プラズマ電子加速と競合する。2つの機構を組入れた数値解析により、中心部の電子密度減少は飽和しプラズマ崩壊に至らない事が示された。結果は実験結果と定性的定量的に一致した。
(4)この領域の先で電子ホールと電子加熱が静電波のコヒーレンスの消滅等により無くなる。このプロセスの数値解析を現在遂行中である。
II.磁化プラズマ中の異常波のコンプトン散乱により磁場方向の高エネルギー電子ビーム加速が起こる事を明らかにした(J. Plasma Phys. Vol.3,Part 3,pp.331-357(2004))。
III.低域混成波のコンプトン散乱により磁場方向の相対論的電子ビーム加速(【less than or similar】5TeV)が起こる事を明らかにした(Phys. Plasmas Vol.12,No.11,pp.5634-5642(2004))。
|
