2004 Fiscal Year Annual Research Report
ピコ秒赤外分光法による電子励起二量体分子系における電子-分子振動相互作用の解明
Project/Area Number |
16550007
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂本 章 埼玉大学, 理学部, 助教授 (90262146)
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Keywords | ピコ秒時間分解赤外分光法 / 電子励起状態 / 電子-分子振動相互作用 / エキシマー |
Research Abstract |
平成16年度は,電子励起された二量体モデル分子系の詳細なピコ秒時間分解赤外吸収スペクトルの測定と解析を可能とするように,主にフーリエ変換限界の性能(時間分解能約2.2ピコ秒,波数分解能約4cm^<-1>)を持つピコ秒時間分解赤外吸収測定装置の製作を行った.以下,具体的に述べる. モード同期・エルビウムドープ・ファイバーレーザーをシード光としたピコ秒チタン・サファイア再生増幅器の出力(波長:775nm,パルス幅:2.2ピコ秒,パルスエネルギー:800μJ/pulse,スペクトル幅:約8cm^<-1>,繰返し周波数:1kHz)を用いて光パラメトリック発生・増幅器を励起した.光パラメトリック発生・増幅器からのシグナル光出力(1100-1600nm)とアイドラー光出力(1600-2300nm)の差周波を,非線形光学結晶(AgGaS_2)を用いて発生させた.これにより波数範囲4000-1000cm^<-1>にわたってパルス幅:約2ピコ秒,パルスエネルギー:10-0.1μJ/pulse,スペクトル幅:約16cm^<-1>の波長可変なピコ秒パルス赤外光を得ることができた.このパルス赤外光を用いて,ポンプ光によって光励起された試料の赤外吸収スペクトルを測定するが,このピコ秒パルス赤外光のスペクトル幅は約16cm^<-1>であり,このままではフーリエ変換限界に到達しない.そこで本研究ではシングル分光器(本研究経費で購入,焦点距離300mm)を導入し,試料を透過した赤外光を分光して波数分解能約4cm^<-1>を達成した.
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Research Products
(7 results)