2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機試料用高分解能低損傷逆光電子分光装置の製作と機能性有機物質の非占有順位の観測
Project/Area Number |
16550012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金井 要 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10345845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 一彦 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (80124220)
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Keywords | 逆光電子分光 / 有機薄膜 / 高エネルギー分解能 / 試料の低損傷化 / 電解放出素子 / 全フッ素化アルカン |
Research Abstract |
平成16年度において有機試料用高分解能低損傷逆光電子分光装置の製作を進めた。製作は以下のような進捗状況にある。 (1)電子銃の電子源のために、多層カーボンナノチューブを用いた電界放出素子を電子源として用いた新規高分解能電子銃の設計を行い、現在までに製作が終了し、光電子アナライザーを用いて、エネルギー分解能等の特性評価の段階に入っている。 (2)高分解能検出系の設計・開発においては、(a)新規バンドパスフィルターを用いたBIS型検出系の開発を行った。従来、使用されてきた真空紫外域の窓材の組み合わせとは全く異なり、10eV以上の高い閾値を持つと考えられる全フッ素化アルカン分子を光電材料として採用した検出器の設計、製作を現在までに終了し、その評価を行っている。分解能等の検出器の特性評価は分子科学研究所・極端紫外光研究施設において行い、全フッ素化アルカン分子の検出器の光電面への定着性に関して改善すべき問題点を洗い出した上で、現在、設計の改良を行っている。(b)真空紫外分光器を用いたIPES型検出系の設計を行った。(a)とは別に真空紫外分光器と集光楕円ミラーを有する検出系、および測定槽の検討、設計を行い、現在、その改良を進めている。 (3)試料の低損傷化のための新規測定槽の設計を行った。電子線照射によって起こり得る、有機試料の損傷を低減するために、逆光電子分光測定中に試料を回転させて照射される電子線密度を劇的に少なくする機構の設計を現在までに終了し、現在、その製作に取り掛かっている。
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