2006 Fiscal Year Annual Research Report
誘起キラル分子をプローブとするキラル結晶発現機構の探索
Project/Area Number |
16550014
|
Research Institution | OKYAMA UNIVERSITY Gvani Aid-For |
Principal Investigator |
石田 祐之 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70193331)
|
Keywords | 結晶構造解析 / 水素結合様式 / キラル結晶 |
Research Abstract |
プロトン移動によって結晶中で中心性キラリティを持つようになる分子としてタルトロン酸とフェニルマロン酸を取り上げて,それらとアミン類,ピリジン類およびアミノ酸との塩または分子間化合物を合成し,X線回折実験によってその結晶構造を明らかにした。さらに,結晶中の水素結合様式および水素結合中のプロトン移動について検討するためにモデル物質としてクロラニル酸を取り上げ,アミン類,ピリジン類,アミノ酸との塩または分子間化合物を合成し,その結晶構造と水素結合様式をX線回折によって調べた。 研究成果の一部であるクロラニル酸とシチジンおよびピペリジンの塩の結晶構造については国際結晶学会誌に論文として既に発表した。タルトロン酸とクロロベンジルアミン類の結晶構造については2007年日本化学会年会で発表を行う予定である。キラル結晶でありかつ非常に大きな強誘電性を持つことが知られているクロラニル酸とフェナジンのX線結晶構造解析の結果は2006年のアジア国際結晶学会で発表を行ったのち,国際結晶学会誌に論文として発表した。また,水素結合に関する詳細な検討を行う手段として,電子密度解析をIonvarion法を用いて解析し,分子構造に関して良好な結果を得ることができた。その結果は既に国際結晶学会誌に論文として発表した。
|