2004 Fiscal Year Annual Research Report
内穀励起状態での分子変形を利用したフルオロメタン分子の光解離反応の制御
Project/Area Number |
16550015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 啓晃 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90249954)
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Keywords | フルオロメタン / 内殻励起 / 飛行時間質量分析器 / 運動量画像分光 / シンクロトロン放射光 / 光解離 / 窒素 / オージェ崩壊 |
Research Abstract |
本研究では、まず位置検出型飛行時間質量分析器(TOF)の設計及び製作を行った。TOFは質量分解能を高めるためにウィリー・マクラーレン二重収束型のものを用いた。新たに購入したディレイライン型アノードとマイクロチャンネル板をTOFのイオン検出部に取り付け、この装置全体を超高真空槽の中に据え付けた。また、排気ポンプ,真空計,ガス導入システムを真空槽に取り付けた。それと並行して信号計測システムの整備及び測定・解析プログラムの開発を行った。 広島大学放射光科学研究センターの軟X線ビームラインBL6の末端にこの真空槽を設置し、電子蓄積リングHiSORからのシンクロトロン放射光を分光器で分光して単色化した後、真空槽の中に導入した。装置の性能評価実験として、まず窒素分子(N_2)を用いた測定を行った。軟X線によって内殻励起された窒素分子がオージェ崩壊によってイオン化し、分子回転よりも早く解離するというアキシャルリコイル近似の元では、イオンの検出軸を励起光の電気ベクトル方向と一致させることによって、解離生成したイオンは検出器上では検出軸を中心とする同心円状の分布を示すことが予想されるが、実際にそのような形状のイオンの分布が得られ、装置が正常に動作していることが確認された。次にN_2Nls→σ*共鳴励起(励起エネルギー:〜418eV)で飛行時間質量スペクトルと検出器上のイオン画像分布を測定し、それらのデータを解析して運動量画像分布を求めた。Σ-Σ型平行遷移による励起のため、解離生成したイオンの運動量ベクトルは励起光の電気ベクトル方向に強く分布していることが分かった。
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