2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550021
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
酒泉 武志 上智大学, 理工学部, 教授 (20053671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久世 信彦 上智大学, 理工学部, 助手 (80286757)
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Keywords | リボ核酸 / ウラシル / チミン / 理論計算 / 回転定数 / マイクロ波分光 |
Research Abstract |
1.リボ核酸(ウラシルとチミン)の理論計算(MP2/6-31G(d,p)) ウラシルとチミンの分子構造を検討するため、Gaussian98プログラムのMφller-Plesset理論の2次摂動(MP2)を利用し、基底関数6-31G(d,p)を用い、最も安定な構造パラメーターと回転定数を計算した。ウラシルの分子構造は平面分子であった。その回転定数はA=3879.02、B=1999.23、C=1319.28MHz、Rayの非対称パラメーターはκ=-0.4687であった。a型とb型遷移が期待され、その特徴は回転定数Cの2倍(2640MHz)ごとにマイクロ波吸収線が現れると期待される。一方、チミンの分子構造はメチル基の2つの水素原子のみが面外に位置するCs対称を有する分子であった。その回転定数はA=3197.72、B=1394.66、C=976.92MHz、κ=-0.6237であった。この分子の特徴ある吸収線はウラシルと同様に回転定数Cの2倍(1954MHz)ごとにマイクロ波吸収線が現れると期待される。購入した2逓倍器(26.5から40.0GHz発信用ダブラー)を15V定電圧電源用い、既成のシンセサイザーの周波数を2逓倍し、改良した100kHz矩形波Stark変調型分光器を用いウラシルとチミンの分光系は準備できた。 2.リボ核酸の気化とマススペクトル ウラシルは300℃で分解する厄介な化合物である。チミンの融点は316℃であるため、まず最初、チミンの気化を試みた。真空ラインを回転真空ポンプで真空にし、ピラニー真空計で真空度(5x10^<-3>Torr)をチェックした。試料管にチミン水溶液を入れ、製作したセパレーター(分離用ガラス器具)に直結した。セパレーターの中心はT字管になっており、一方は水分を分離しトラップへ、他方は質量分析計のイオン室に直結している。現在、セパレーターにヒーターを巻きつけ、チミンのマススペクトル(m/z126)を観測中である。 3.吸収セル 吸収セルは最初の試みとして、3mの導波管型吸収セルにリボンヒーターを巻きつけ、ガラスウール製の幅広リボンで保温した。マススペクトルで最適条件を生み出し、セパレーターを吸収セルに直結し、水分をトラップを通し、排気し、チミンのマイクロ波スペクトルを26.5から40.0GHzで観測する予定である。
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Research Products
(3 results)