2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550062
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
御厨 正博 関西学院大学, 理工学部, 教授 (10157472)
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Keywords | 二核錯体 / 多核錯体 / 金属錯体 / 金属-金属結合 / 架橋配位子 / カルボン酸架橋 / シッフ塩基 / シアノ基 |
Research Abstract |
カルボン酸架橋を有する二核錯体について、金属として銅とルテニウムを選び、二核集積を試みた。金属-金属結合のない銅について、非ステロイド系の抗炎症剤であるカルボン酸が二核銅錯体を形成できることを磁化率の温度依存性を調べることにより確認した。また、ピリジルカルビノール等の配位性の強い塩基が存在すると二核は維持できず、単核銅となり、ある場合にはこれらが緩くつながってポリマー構造を形成することも確認できた。酢酸銅、安息香酸銅、長鎖アルキルカルボン酸銅では4,4'-ジピリジルジスルフィドを架橋配位子として、様々なポリマー構造が観察された。一方、金属-金属結合を有するルテニウムでは、ピバル酸ルテニウム(II,II)をテトラシアノエチレン等のシアノ基含有有機電子アクセプターと反応させることにより架橋配位子が不対電子を持ったフェリ磁性的化合物の合成を狙ったが、ポリマー生成はうまく行くものの、架橋配位子によっては反強磁性的相互作用を示すものも現れた。キノン類も含めて、これらの架橋配位子をピバル酸ルテニウム(II,III)に適用したが、概ね空気中では不安定なものが多く、一次元ポリマー化が確認できたものは弱い反強磁性的相互作用を示した。三次元集積に有利と考えられるオクタシアノタングステン酸をビバル酸ルテニウムと反応させると予想に反して一次元ポリマーが得られたが、フェリ磁性的相互作用を示した。 その他、水素結合による集積化を期待して、ヒドロキシ基とフェノール基を有するONNO型四座シッフ塩基配位子について第一遷移系列元素の各種金属塩との反応を行った。バナジルや銅では異種の錯体が得られたが、概ね、結晶場安定化エネルギーに対応して分子内に水素結合を有するバナジウム、マンガン、鉄、コバルト等の単核錯体が得られた。水素結合による陰イオンの取り込みの様子を結晶構造で調べた。
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Research Products
(8 results)