2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550080
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
肥後 盛秀 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10128077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 俊史 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60253910)
満塩 勝 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70372802)
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Keywords | 金属薄膜の表面形態 / 原子レベルで平坦な金属薄膜 / 表面吸着種の状態分析と形態観察 / 表面プラズモン共鳴現象 / 屈折率センサー / 表面増強現象 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
1、雲母基板上に各種温度と蒸着速度で真空蒸着した金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、スズ、ビスマス、鉛の薄膜の表面形態を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した。低温において金属表面はセルフシャドーイングによる小さな丸い粒子により構成され、温度の上昇による金属の表面拡散と粒子の成長により、各金属特有の表面形態に変化した。アルミニウムは250〜350℃の広い温度範囲において、金は473℃付近の狭い温度範囲において、各種化学計測法に有用な原子レベルで平坦な表面が得られた。 2、原子レベルで平垣なアルミニウム薄膜上に溶液から吸着させたテトラシアノキノジメタン(TCNQ)の状態分析と形態観察を反射赤外分光法(IR-RAS)とX線光電子分光法(XPS)及びAFMを用いて行い、金薄膜上の結果と比較検討を行った。TCNQは両金属の表面にマイクロメーターの中性状態の粒子とナノメーターの陰イオン状態の粒子として吸着され、溶液の濃度と共に中性状態が増加することが明らかになった。 3、光ファイバーのコアの片面に金薄膜を形成した簡単な構造の屈折率センサーを作製し、その応答特性を検討した結果、コア全面に金薄膜を持つ従来の構造のものに比べて感度と精度及び検出限界が向上した。更に表面プラズモン共鳴(SPR)の理論式を用いて、実験と良く一致する応答曲線を計算することができた。 4、銀、銅、アルミニウムについても同様なセンサーを作製し検討した結果、金とは異なり表西酸化物の影響があるが、金属の誘電率の違いより固有の特性を持つセンサーが得られ、応用性を広げることができた。 5、銀を非常に薄く蒸着した塩化ユーロピウムにおいて、銀のプラズマ振動によるユーロピウムの蛍光強度の増強を発見し、光触媒反応における金属ナノ粒子の表面増強現象の有用性を指摘した。
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