2005 Fiscal Year Annual Research Report
微量重金属イオンの特異的捕捉・検出能を備えた通電式フロー形計測システムの開発
Project/Area Number |
16550085
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 生男 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (20148125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 泰広 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (40329305)
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Keywords | 金属酵素 / アポ酵素 / 固定化酵素 / 重金属イオン / フローインジェクション分析 / 電解 / センサー / 酵素分析 |
Research Abstract |
1.研究の目的 (1)本研究は金属酵素由来のアポ酵素が特定の重金属イオンに対して捕捉能を保持していることに着目し、アポ酵素に対する金属イオンの添加に伴う触媒機能の回復を利用することで、重金属イオンの新規計測法(アポ酵素活性化法)の確立を目的としたものである。 (2)この目的を達成するため、高感度・高選択性・迅速性に富む簡易なフローインジェクション分析(FIA)システムを構築することとした。備品としての高性能プランジャーポンプやフロー式紫外・可視光検出器の購入がシステムの構築、再現性に優れた結果を得ることに貢献した。 (3)アポ酵素への温和な物理的変換を果たすため、酵素固定化物充填リアクターの出入り口に白金製の細管を取り付け、定電流を通じることとした。 2.研究実施計画との対応 (1)平成16年度には、キレート化剤を用いた化学的方法を適用し、通電法に基づくアポ酵素への変換法との比較検討を試みた。ピリジンジカルボン酸塩やEDTAを用いると、大腸菌由来のアルカリホスファターゼ(ALPと略称)では、前者によって効率良く、触媒活性が示されなくなり、これに対して仔牛小腸由来のALPではEDTAが有効であることを確認することができた。また、アポ酵素への変換並びにホロ酵素(天然に取得される金属酵素の状態で、活性部位に重金属イオンが配位している)への相互変換過程を詳細に検討した結果、PDCではキレート化剤それ自体が、酵素表面に吸着するため、見かけ上基質が活性部位に配位できず、触媒活性が発現されなくなると示唆された。 (2)平成17年度は16年度の結果を追試、確認した。さらに通電法によるALPのアポ酵素変換はほぼ定量的に進行し、また酵素カラムには著量の亜鉛(II)イオンが酵素カラム中に吸着されることも判明した。そこで、過剰な金属イオンの吸着を避けるため、担体素子を微細孔性ガラス粒子(通称CPG)から金メッシュ(商品名:金を網状に成型加工した物)に替えて、金属酵素の固定化と通電とを同時にできるデバイスを創案し、計測精度の飛躍的向上に成功した。この事実は今後の研究の展開に極めて重要な知見をもたらすものである。通電法に基づく金属酵素の固定化並びにアポ酵素への変換を可能とする、新規重金属イオンの計測へ向けて確固たる基盤を開発することができた。
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Research Products
(4 results)