2004 Fiscal Year Annual Research Report
アリール型ホウ素化合物の直接合成法と新規触媒反応の開発
Project/Area Number |
16550089
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石山 竜生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00232348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271646)
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Keywords | アリール型ホウ素化合物 / C-H結合活性化 / C-H結合直接ホウ素化 / 芳香族化合物 / ジボロン / ヒドロボラン / イリジウム触媒 / ビピリジン配位子 |
Research Abstract |
本研究は、芳香族炭化水素類の安定な炭素-水素結合の直接的かつ触媒的なホウ素化反応による簡便でクリーンかつ経済的なアリール型ホウ素化合物の合成法を確立するとともに、得られたアリール型ホウ素化合物の鈴木・宮浦カップリングあるいはα,β-不飽和カルボニル化合物への1,4-付加などへの利用による効率的な炭素-炭素結合形成法ならびに新規な触媒的アリール化反応の開発を目的としている。 1.反応条件(石山担当):効率的なホウ素化反応を実現するための反応条件(触媒前駆体、配位子、溶媒、添加物、温度など)を精査した。触媒前駆体としてはIr(OMe)(cod)錯体、配位子として4および'4'位にt-Bu基を有するビピリジンが優れ、ヘキサンを溶媒とすると室温で、量論量の芳香族炭化水素のホウ素化が達成できた。 2.ホウ素化剤(石山担当):反応を精査した結果、ジボロンにおいては、二つのホウ素基が利用可能であった。また、ヒドロボランとしてピナコールボランが同様の反応条件下利用可能であることもわかった。 3.基質の適用範囲と選択性(山本担当):基質として様々な置換基を有する芳香族化合物のホウ素化について検討を行った。低原子価の金属錯体に対して高い活性を示す芳香族ヨウ化物を基質に用いてもホウ素化は芳香族炭素-水素結合でのみ進行した。また、複素環芳香族化合物においても位置選択的なホウ素化に成功した。 その他、カチオン性パラジウム錯体を用いるアリール型ホウ素化合物のエノンへの1,4-付加反応の開発を行った。反応機構の調査により有機ボロン酸のトランスメタル化により進行することが明らかとなり、カチオン性アリールパラジウム中間体のX線構造解析にも成功した。
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Research Products
(4 results)