2006 Fiscal Year Annual Research Report
五員環上への炭素鎖導入反応を基盤とするプロスタグランジン及びアルカロイドの合成
Project/Area Number |
16550091
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 雄一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (90153650)
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Keywords | シクロペンテンモノアセテート / チュベロン酸 / OPC-6:0 / Cannabidiol / プロパルギル / インドールアルカロイド / イソキノリンアルカロイド |
Research Abstract |
平成16,17年度において,入手容易な4-cyclopentene-1,3-diol monoacetate(以下,五員環モノアセテート)から出発して,動脈硬化に関連する新規プロスタグランジンを含むphospholipidと核内レセプターアゴニスト活性をもつΔ^<12>-プロスタグランジンJ_2(Δ^<12>-PGJ_2)の合成に成功した。平成18年度はこれらの知見を活かして以下の研究を行なった。 (1)植物のリノレン酸代謝産物のうち,チュベロン酸,Δ^2-OPC-8:0,OPC-6:0を合成した。特に,チュベロン酸の合成では,側鎖末端にある水酸基の保護と脱保護のタイミングに加え,シス配置の2つの側鎖を異性化せずに脱保護する試薬の探索が重要であった。我々は保護基としてTHPを用いた。既存の酸ではこれを脱保護できなかったが,MgBr_2を用いて目的を達した。 (2)五員環モノアセテートの知見を六員環化合物に適用し,アルケニル基を選択的に導入する条件を見いだした。そしてこの反応生成物を使ってCannabidiolとその誘導体を合成した。 (3)(2-propargyl)MgBrとCuCNから調製した銅試薬を使って2-propargyl基を五員環上に効率よく導入できた。この生成物から,2-(5,6-epoxyisoprostane)phosphorylcholineを合成することに成功した。また,前年度に合成したΔ^<12>-PGJ_2を短段階で合成できた。 (4)五員環上に1つの側鎖を有するエノンを合成し,インドールアルカロイドとイソキノリンアルカロイドの合成を行なった。
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Research Products
(5 results)