2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ芳香族化合物のC-H結合置換反応による有機機能材料合成法の開発
Project/Area Number |
16550092
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 敦紀 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (90210111)
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Keywords | 2,5-ジアリールチアゾール / パラジウム / フッ化銀 / 2,5-ジアリールチオフェン / ホモカップリング / C-H結合 / プロモチオフェン / オリゴチオフェン |
Research Abstract |
チアゾール5位でのC-H結合置換反応が,パラジウム触媒とフッ化銀の存在下に種々のヨウ化アリールと反応させることにより進行することがわかった。この反応は60℃で進行し,異なる置換基をもつ2,5-ジアリールチアゾールを簡便に合成することに成功した。また,同様な反応がチアゾールのかわりにチオフェンを用いても進行することがわかった。2,5-ジアリールチオフェンも同様に簡便な方法で合成することができた。 同じ置換基2位および5位にもつチアゾール,チオフェンをそれぞれ合成しこれらの物性を比較検討した。その結果,チオフェンはチアゾールに比べ3〜4倍の強い蛍光を発することが明らかになった。また,熱分析や偏光顕微鏡観察により液晶性を調べたところ,2,5-ジアリールチアゾールはネマチック液晶,2,5-ジアリールチオフェンはスメクチック液晶となることがわかった。 パラジウム触媒の存在下にチオフェンに対してフッ化銀を作用させるとC-H結合どうしが炭素-炭素結合を形成するホモカップリングが進行することがわかった。この反応はさまざまな置換基をもつチオフェン誘導体で起こり,効率よくビチオフェンが得られた。特に注目すべきは,2-ブロモチオフェンを用いてホモカップリングをおこなっても炭素臭素結合ではまったく反応せずに炭素-水素結合においてのみカップリング反応が進行したことである。生成する5,5'ジブロモ-2,2'-ビチオフェンは電気伝導性,非線形光学特性,液晶性などの興味ある物性を示すオリゴチオフェン誘導体合成の鍵となる中間体であり。本ホモカップリング反応はオリゴチオフェン合成に向けてきわめて有用な合成反応である。
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Research Products
(4 results)