2004 Fiscal Year Annual Research Report
コバルト錯体を活用する生体類似型電解反応の開発とその応用
Project/Area Number |
16550104
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
川淵 浩之 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (20195134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 勉 岡山大学, 工学部・生物機能工学科, 助教授 (50168473)
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Keywords | コバルト錯体 / 電解反応 / 亜鉛電極 / シクロペンタン-1,3-ジオン / 1,4-ヒドロキノン / シクロヘキサン-1,4-ジオン / ジアリール誘導体 / 環拡大反応 |
Research Abstract |
コバルト錯体を用いて、機能性材料であり、また生物活性化合物の原料として重要な1,4-ヒドロキノン体の新規な合成法の開発を行った。すなわち、2-置換-2-ブロモメチルシクロペンタン-1,3-ジオンの環拡大により、ワンポットで1,4-ヒドロキノン体へ変換できる最適電解条件を検討した。まず、2位の置換基がメチル基である原料を用い、コバルト錯体をコバロキシムに固定して電解条件を精査した結果、電極材料(陽陰極とも亜鉛電極)、コバロキシム量(18mol%)、電流値(30mA)、電圧(3V)、溶媒(メタノール)、電解質(Et4NOTs)、反応温度(室温)、電気量(7F/mol)が優れていた。しかしながら、目的の1,4-ヒドロキノン体ではなく、2-メチルシクロヘキサン-1,4-ジオンを61%の収率で得た。このシクロヘキサン-1,4-ジオン体から1,4-ヒドロキノン体へは、容易に変換可能である。 次に、本電解反応を芳香族誘導体に適用し、ジアリール誘導体の新規な合成法へ発展させるため、2位の置換基を4-メトキシフェニル基に変えて行ったところ、開環生成物を収率59%で得た。そこで、片方のケトンを保護した原料(2位の置換基はフェニル基)を用いて電解を行ったところ、目的の環拡大生成物を収率69%で得た。この結果は、ジアリール誘導体の新規な合成法へ繋がる有意義なデータとなった。 電解法によりワンポットで1,4-ヒドロキノン体への変換を行うヒントにするために、2-プロモメチル-2-フェニルシクロペンタン-1,3-ジオンをトリブチルチンハイドライドでベンゼン溶媒還流条件で反応させた。その結果、12時間で1,4-ジオン体(収率75%)、44時間で1,4-ヒドロキノン体を収率46%で得た。 さらに、炭素-炭素結合形成反応への応用として[Co(III)(N4)Cl2]ClO4を用いる3成分連結反応や反応中間体である炭素ラジカルをTEMPOで捕捉する反応も試みた。
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Research Products
(1 results)