2004 Fiscal Year Annual Research Report
液晶性反応場を用いた光学活性な芳香族系導電性高分子の創成
Project/Area Number |
16550106
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
後藤 博正 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (40292528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 和夫 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20150964)
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Keywords | 導電性高分子 / 液晶電解液 / キラル高分子 / 円偏光二色性 / 電解不斉重合法 / キラル高分子効果 / 光学活性エレクトロクロミズム |
Research Abstract |
キラルテクノロジーにおいては、低分子のみならず高分子の分野で、ラセン構造などの立体規則性構造より生み出される「キラル高分子」についての研究が世界的に注目を集めている。申請者らは液晶によるキラルな反応場中でピロール、ビチオフェン3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)の電解重合を行うことにより、円偏光二色性を示すポリマー(不斉中心をもたない)の開発を行った。キラルドーパントとしてラセン誘起力の大きいバイノール系を用い、キラル液晶電解液の調製を行った。モノマーをこの電解液に溶解し、液晶の形態が維持されていることを確認した後、電場を印加し、重合を行った。得られたポリマーを赤外線吸収スペクトル、紫外-可視吸収スペクトルで評価し、さらに円偏光二色性スペクトルを用いてコットン効果の確認を行った。次にポリマーに等方的な電解液(アセトニトリルなどを用いる)中で電場を印加し、電気化学的ドーピング脱ドープによるポリマーの発色を変化させ、これを紫外-可視吸収スペクトルで評価した。ここで円偏光二色性スペクトルで電場によるコットン効果の変化を確認した。本合成法により得られた不斉中心をもたない導電性ポリマーは、軸不斉あるいはキラルな会合状態により強い光学活性を示した。また、電気化学的方法で電場によるコットン効果の制御を行うことが可能となった。 以上、光学活性液晶電解液を用いた光学活性導電性高分子の合成と得られたポリマーのキラリティーおよび光学活性エレクトロクロミズム現象を確認した。
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Research Products
(7 results)