2005 Fiscal Year Annual Research Report
色素会合体被覆貴金属ナノ粒子による電極修飾とその光電変換特性
Project/Area Number |
16550117
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
佐藤 智生 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (50205944)
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Keywords | 表面プラズモン / 励起子 / 貴金属ナノ粒子 / J凝集体 / シアニン色素 |
Research Abstract |
シアニン色素J会合体の励起子吸収帯強度は、近接する貴金属ナノ粒子中に誘起される表面プラズモンにより強く影響を受け、両者の空間的配置により抑制される場合もあれば増強される場合もありうる。本研究では、このような特異な分光特性を持った色素会合体-貴金属ナノ粒子複合体を電極表面に構築するとともに、その光電気化学特性の検討を試みた。貴金属ナノ粒子はこれまで平滑なマイカ上に作製してきたが、ITO基板のような酸化物は幾分粗い表面をもつため、ナノ粒子の生成条件は異なる。そのため本研究では、まず真空蒸着法を用い蒸着速度・時間、基板温度などの条件を変えつつITO基板やスライドガラスのような酸化物表面に貴金属ナノ粒子を作製し、その生成条件を検討した。その結果、ナノ粒子の単分散性は必ずしも良くないものの、望みの平均粒径と表面プラズモン吸収ピーク位置を持つ金ナノ粒子および銀ナノ粒子を基板上に作製することができた。蒸着法により作製した貴金属ナノ粒子上に、ハロゲン化法とアミノチオール自己組織化膜法の2種類の手法でシアニン色素J凝集体を担時できることも確認されたが、ナノ粒子と基板との接着性があまり良くないため、種々溶液に基板を浸漬したときナノ粒子が剥離してしまうことが多かった。真空蒸着法の代わりにスパッタ蒸着法を用いることにより、ナノ粒子と基板との接着性が向上し色素会合体-貴金属ナノ粒子複合体を電極表面に構築することができ、その光電気化学特性を検討することが可能になった。 一方、J会合体被覆貴金属ナノ粒子の過渡吸収スペクトルと蛍光減衰曲線をフェムト秒オーダーで測定することにより、本複合体ナノ粒子の励起状態の緩和ダイナミクスの検討も行った。光電変換は系の光励起状態から始まるため、励起状態の挙動を調べることは光電変換特性の理解にとって重要である。
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