2006 Fiscal Year Annual Research Report
超分子アーキテクチャ-を利用した複合機能性分子磁性材料の開発
Project/Area Number |
16550121
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00232306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
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Keywords | 分子性磁性体 / 集積型金属錯体 / 超分子科学 / 多孔質 / 単分子磁石 / ホストゲスト錯体 |
Research Abstract |
超分子アーキテクチャーとは分子間力などの弱い結合力を用いた複合分子システム構造体のことである。本研究では三次元的に集積して興味深い磁性を示す超分子構造の開発と、その複合材料への展開を目指した。 1.クラウンスピンラベル試薬を合成開発した。反磁性イオンを包接させると磁性に変化が見られた。この材料はスイッチ機能をもつ磁性体や、特定のイオンの検出試薬として用いられる可能性がある。遷移金属イオンをゲストに用いると、強い磁気的カップリングが見られた。 2.ラジカル-金属ハイブリッド磁性体に対して、これまで不安定で単離できなかったラジカルを適用して、大きな磁気的カップリングを得た。また、ラジカルを1電子還元した形のアニオン性配位子を用いて類似構造のキレートを得た。二量体、多量体などの構造と磁性を明らかにした。 2.ラジカルとコバルトイオンから単一次元磁石的性格を強く持ちながらバルクの磁石として振る舞う一次元鎖状材料群を見いだした。最大級の強い保持力を有する材料を開発した。 4.ランタノイドと3d金属イオンを含む多核錯体から単分子磁石[Dy_2M](M=Cu,Ni)、[Ln_4Cu](Ln=Tb,Dy)、[Dy_2Cu_2]などを開発した。銅イオンを含むものについて高周波ESRを測定し、これまでに提案した磁気カップリング機構を検証した。 5.有機ビラジカル物質で、反磁性と三重項常磁性とをいれかえる相転移(有機スピンクロスオーバー)を見いだした。そのなかでも完全に単結晶一単結晶相転移するものがあり、その構造磁性相関を詳細に調べた。 6.電導性物質の構成分子に、天然の生物発光分子をヒントを得たチアゾリルチアゾリン骨格を適用した。また、これらが鉄(II)イオンに配位してスピンクロスオーバー錯体となることを見いだした。
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Research Products
(17 results)