2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550129
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
幅田 揚一 東邦大学, 理学部, 教授 (40218524)
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Keywords | サイクレン / 銀イオン / 包接 / 超分子 / 食虫植物 / 銀-π相互作用 / 環状配位子 / 芳香環 |
Research Abstract |
平成17年度では,(1)異なる二種類の芳香環側鎖を向かい合った位置に導入したアームドサイクレンの合成と超分子錯体の構造,(2)異なる二種類の芳香環側鎖を隣合った位置に導入したアームドサイクレンの合成と金属錯体の構造解析,(3)光学活性なテトラアームドサイクレンの合成,および(4)二枚の芳香環側鎖を向かい合った位置に導入したダブルアームドサイクレンの合成と金属イオン特異的UV-Visおよび蛍光スペクトル特性について検討を行った.(1)と(4)の合成は初めにサイクレンジオンをジエチレントリアミンとイミノジ酢酸ジエチルの反応で合成し,次いで芳香族アルデヒドとの還元的アミノ化反応によってダブルアームドサイクレンを合成した((4)).これをDIBAL-Hによって還元して向かい合った位置に側鎖を導入したダブルアームドサイクレンを合成した.これにさらに還元的アミノ化によって異なる側鎖を導入したら(1)が得られた.また,隣り合った位置に側鎖を導入するためには,サイクレンとシュウ酸ジエチルとの反応で隣り合った二つのアミノ基を保護しておき,これに還元的アミノ化によって側鎖を導入した後,アルカリ条件下で脱保護することによって隣合った位置に側鎖を導入したアームドサイクレンを合成した.これに還元的アミノ化によって側鎖を導入することにより,(3)を得た.光学活性なテトラアームドサイクレンは乳酸エチルをトシル化した後,グリシンエチルエステルと反応させ,次いでジエチレントリアミンと環化して光学活性なサイクレンジオンを合成した.これに還元的アミノ化によって側鎖を導入し,DIBAL-Hで還元後,さらに側鎖を導入した.得られた化合物の構造は各種スペクトルおよび元素分析によって確認し,それらの銀をはじめとする様々な金属イオンとの錯体を形成させ,その構造を詳細に検討した.また,光学活性な化合物については旋光度やCDスペクトルも測定した.
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Research Products
(5 results)