2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロギャップ電極を有するマイクロガスセンサの作成と極低濃度ガス検知特性
Project/Area Number |
16550130
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
玉置 純 立命館大学, 理工学部, 教授 (10207227)
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Keywords | 半導体ガスセンサ / マイクロギャップ電極 / 酸化スズ / 硫化水素 / 酸化タングステン / 二酸化窒素 |
Research Abstract |
MEMS技術を用いて金マイクロギャップ電極(ギャップ間隔:0.1〜1.5μm)をSiO_2基板上に作成した。購入したマイクロマニピュレータを用いて酸化物ゾル溶液の微小液滴を電極上に滴下し、乾燥、焼成してマイクロセンサを得た。酸化物はSnO_2あるいはWO_3とした。 種々の大きさのマイクロギャップを持っSnO_2マイクロセンサの低濃度H_2S検知特性を測定し、SnO_2-H_2S系におけるマイクロギャップ効果を調べた。その結果、ギャップサイズが小さくなるほど感度が増大したが、その程度はあまり大きくなかった。特に、濃度が0.1ppm以下ではマイクロギャップ効果はほとんど見られなかった。感度を酸化物-電極界面の感度(S_i)と酸化物粒子間界面の感度(S_<gb>)に分離すると、S_<gb>は比較的大きくなり、S_i1S_<gb>比の値は3〜9と小さくなった。昨年度調べたWO_3-NO_2系やIn_2O_3-Cl_2系ではS_i/S_<gb>比は30〜40と大きかったため、SnO_2-H_2S系ではS_i/S_<gb>比が小さいためマイクロギャップ効果が小さいことがわかった。WO_3-NO_2系やIn_2O_3-Cl_2系は、NO_2やCl_2が酸化物表面に負電荷吸着して酸化物(n型半導体)の電気抵抗を増加させるが、SnO_2-H_2S系はH_2Sの酸化反応により表面酸素が消費され、トラップしていた電子を半導体に戻すため電気抵抗が減少する。被検ガスの吸着か酸化反応かの違いがS_<gb>に大きく現れ、マイクロギャップ効果の違いとなって現れたと考えられる。 また、マイクロギャップ効果の大きいWO_3-NO_2系においてギャップサイズ固定でギャップ間に含まれる粒子数を変化させたところ、粒子数が多くなるほどNO_2感度が増大した。WO_3-NO_2系ではS_iが大きく、界面の数を増加させると感度が増大することが実証された。このように系によってギャップ効果の程度は違うが、酸化物-電極界面が重要であることは同じで、電極構造のナノデザインが高感度化に重要であることが実証された。
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Research Products
(7 results)