2005 Fiscal Year Annual Research Report
食の安全性を目指した残留農薬一斉分析のための簡易計測技術の確立
Project/Area Number |
16550132
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
金木 則明 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40125373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 浩次 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (90178939)
今任 稔彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50117066)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / マルチチャンネル / 携帯型 / 残農薬 |
Research Abstract |
本研究では、残留農薬の生体への影響を未然に防止し、国民の健康と安全を守るという観点で、表面プラズモン現象(SPR)に基づく多成分同時計測可能な新規光学系を考案し、残留農薬を一斉・同時分析するための掌サイズの農薬検出機器(残留農薬インスペクター)としてマルチチャンネルSPR免疫化学センサの研究開発を試みる。本年度では、まず残留農薬一斉分析するための携帯型マルチチャンネルSPRセンサの基礎開発技術の確立を図ることについて検討した。 前年度基本試作した5チャンネル表面プラズモン共鳴現象(SPR)装置を、更に高感度や安定性について向上させリアルタイム多点計測を携帯型で実現するために、波長770nmに最大吸収を持つ発光ダイオードの光量調節機能の付加と反射光を効率的に検出させ、2つのシリンドリカルレンズ、2048pixelCCDラインセンサを組み合わせた光学部品の配置、光路長、干渉など理論・実験の両面から検討し、新規空間フィルターを設置し、5チャンネルパームサイズSPR(16x9x5cm)を試作した。 金基盤とシリコンシートで構成される5チャンネルセンサセル(流路は10x1x0.3mmサイズ)を試作した。抗体の固定化について、差動SPRとモデル抗体IgGを用いて検討した。固定化は金の表面にチオール、スルフィドなどを用いて自己組織化単分子膜の形成し、抗体固定化の最適条件などを調べ、その結果IgGを1ppmの感度で検出する性能が得られた。 更に高感度化を実現するために、固相濃縮法を組み合わせて検討した。固相濃縮はカルバリル系農薬の薬剤である2-4ジクロロフェノールをISOLUTE ENV+カラムを用いて行われ、その結果100倍濃縮され、固相濃縮法を組み合わせることにより100倍の感度が上がる可能性が確認された。 これより、残留農薬分析するための携帯型マルチチャンネルSPRセンサの基盤開発技術が得られた。
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