2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550134
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 慶寿 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80240753)
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Keywords | マイクロリアクター / 光触媒 / 環境浄化 / グリーン合成 / 顕微分光 / 光化学 / 環境負荷低減 |
Research Abstract |
近年、マイクロリアクターを用いて高速混合、高速熱交換、高い比表面積、層流の形成が容易、といった特性を活かした各種反応系の開発が進められている。一方で、マイクロリアクターの特性を光反応に応用しようという試みはまだほとんど行われていないと言える。そこで本研究では光源と反応場の特徴を有効に組み合わせたマイクロ光化学システムの構築を目指し開発を行った。まず顕微分光法を用いてマイクロリアクター反応場を解析しながら、光反応に最適化したマイクロリアクターを設計、高収率、高選択率反応システムの開発を試みた。流路内に光触媒薄膜を担持したマイクロリアクターを用いると、比表面積が非常に大きいという効果が顕著に現われ、有機化合物の酸化分解、還元反応が極めて高効率に進行することが明らかとなった。アミンのN-アルキル化反応等では、バッチ系と異なる、マイクロ反応場特有の新規な反応性を示す系の存在することが見出された。通常のバッチ反応系では進行しない、あるいは観察できないほどに効率の低い反応が、比界面積の極めて大きいマイクロリアクターでは発現したものと考えられる。またフロー条件の精密な制御により、逐次的な反応の生成物の比を制御することが出来るという結果が、このアミンのアルキル化、オレフィンの酸化反応などの研究で得られた。リアクターを積層化した場合の光損失、最適な流路形状、光源の性質等を考慮しながらナンバリングアップ手法を探り、省資源、省エネルギー、環境負荷低減型のマイクロ光化学システム構築のための基礎データを得た。
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Research Products
(3 results)