2005 Fiscal Year Annual Research Report
親水性陰イオンの脱水和を促進する官能基を有するイオン交換樹脂の開発研究
Project/Area Number |
16550135
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯地 昭夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60144193)
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Keywords | イオン交換樹脂 / 脱水和 / 共吸着 / 陰イオン / 陽イオン / 水和数 / 水素結合 / 架橋配位 |
Research Abstract |
1.クロロメチル化ポリスチレン樹脂を出発原料として,ジメチルアミノ型,メチル(2-ヒドロキシエチル)アミノ型およびビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ型の3種類の弱塩基性陰イオン交換樹脂(WBA),トリメチル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム型およびジメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム型の2種類の強塩基性陰イオン交換樹脂(SBA)を合成した. 2.WBAに2-ヒドロキシエチル基を導入しても,各種陰イオンの吸着選択性は,テトラメチルアンモニウム型のSBAと実質的に同じであるが,水和数はかなり減少した.陰イオン上の塩基性サイトとアミノ基上のプロトンとの間の電荷の中和を伴う水素結合の形成は,陰イオンの脱水和を促進するが選択性には寄与しないことが判った. 3.SBAに2-ヒドロキシエチル基を一つ導入すると,リン酸およびフッ化物イオンに対する選択性が向上した.二つ目を導入すると,フッ化物イオンの選択性は向上したが,リン酸イオンの選択性はほとんど変わらなかった.静電的な相互作用とは異なる部位での水素結合形成は,親水性陰イオンの脱水和を促進するとともに,吸着選択性も向上させることが明らかとなった.二つの陰イオンに対する挙動の違いは水素結合性アームの長さに対するイオンの大きさの違いによると結論された. 4.強酸性の陽イオン交換樹脂に鉄(III)イオンが吸着する際にある種の陰イオンが共存すると,ドナン膜排除の原理に逆らって樹脂相へ侵入することを明らかにした.また,生成する共吸着種の組成にかなりの多様性があることを明らかにした. 5.キレートゲルにジルコニウム(IV)を担持して得られる高分子錯体への陰イオン(フッ化物,リン酸,ヒ酸,亜セレン酸)の吸着を,クロマトグラフィーおよびバッチ吸着実験により解明した.フッ化物イオンに対する親和性は特に高く,強酸性領域では逐次に2モルまで,弱酸性領域では水酸化物イオンと伴に吸着しうることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)