2004 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性ブロック共重合体の合成と擬似積層型有機電界発光素子への展開
Project/Area Number |
16550154
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻野 賢司 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (10251589)
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Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離 / 有機電界発光素子 / 多機能多相系材料 / 原子移動型ラジカル重合 / リビングラジカル重合 / Rod-Coil型高分子 / 階層構造制御 |
Research Abstract |
本申請課題の目的は、完全にモノリシックな有機電界発光素子用のポリマーを合成することにある。それらは自己組織化して高い蛍光効率の擬似層状構造を形成する能力を有する。例えば、透明電極上にスピンキャストしたポリマーフィルムは、正孔注入あるいは輸送部が電極の近くに優先的に存在し、フルオロアルキル基を有する低い表面張力の蛍光性rodが、得られるフィルムの上側付近に凝集することが期待できる。本年度は、蛍光性のシアノ基で置換された、ジスチリルベンゼン誘導体をKnoevenagel反応で合成した。合成した化合物を開始剤に用いて、一連のrod-coil型の高分子を正孔輸送性のカルバゾール単位を有するメタクリル酸エステルの原子移動型ラジカル重合により合成した。ジシアノビニル基を含む開始剤以外では、高収率で高分子を得ることができた。分子量は、最高で37000、分子量分布は1.6を超えることはなかった。蛍光スペクトルから、rod部分が固体状態では凝集していることが明らかとなった。フルオロアルキル基を持つrod部分は熱処理によりさらに凝集した。接触各の測定から、凝集過程においてフルオロアルキル基が表面に偏在することがわかった。開口径が1.1または3.7μmの細孔が高度に配列した多孔性フィルムを、高分子溶液を高湿度下でキャストすることで作製した。透過スペクトルにおいて、細孔の周期的な配列に起因するディップが観察できた。階層構造を有するフィルムを作製できたことから、有機電界発光素子への展開が期待できる。平行して、新規の正孔輸送性及び電子輸送性のビニルモノマーを合成して、リビングラジカル重合を利用してブロック共重合体の合成を行った。
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Research Products
(1 results)