2005 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性ブロック共重合体の合成と擬似積層型有機電界発光素子への展開
Project/Area Number |
16550154
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻野 賢司 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (10251589)
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Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離 / 有機電界発光素子 / 多機能多相系材料 / 原子移動型ラジカル重合 / リビングラジカル重合 / ポリチオフェン / グラフト共重合体 |
Research Abstract |
本申請課題の目的は、完全にモノリシックな有機電界発光素子用のポリマーを合成することにある。それらは自己組織化して高い蛍光効率の擬似層状構造を形成する能力を有する。昨年度は、フルオロアルキル基を有する蛍光性ロッドとコイル状の正孔輸送ポリマーからなるブロック共重合体を合成した。透明電極上にスピンキャストしたポリマーフィルムは、正孔注入あるいは輸送部が電極の近くに優先的に存在し、フルオロアルキル基を有する低い表面張力の蛍光性ロッドが、得られるフィルムの上側付近に凝集することを確認した。本年度は、蛍光性のポリチオフェンを幹として、電荷輸送性の高分子を枝とする新しいタイプの高分子を設計した。ポリチオフェンは溶液では高い蛍光量子効率を示すが、固体状態では、ポリマー鎖の凝集により蛍光強度は著しく減少する。そこで高密度でグラフトされたポリマーを合成することにより、チオフェン単位の凝集を防止し、固体状態でも高い蛍光を示すポリマーを酸化重合と原子移動ラジカル重合の組み合わせにより合成し、評価した。併せて、原子移動ラジカル重合により重合可能な、正孔輸送性及び電子輸送性モノマーの合成に成功した。平行して、新規の正孔輸送性及び電子輸送性のビニルモノマーを合成して、リビングラジカル重合を利用してブロック共重合体の合成を行った。新しい分子設計として陽極と特異的に相互作用できる正孔輸送性モノマーの合成に成功し、優れた量子効率を示す有機電界発光素子に応用することができた。
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Research Products
(2 results)