2006 Fiscal Year Annual Research Report
希土類金属錯体を焼結助剤前駆体とする高熱伝導率窒化ケイ素セラミックスの開発研究
Project/Area Number |
16550159
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
北山 幹人 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10330945)
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Keywords | 窒化ケイ素 / 熱伝導率 / 焼結助剤 / 希土類金属錯体 / 前駆体 / 固溶酸素 / 粒界相 / 相転移 |
Research Abstract |
1.希土類金属錯体を脱酸素焼結助剤として用いた窒化ケイ素焼結体の作成と評価 昨年度は、最適化を図った焼結助剤系Si_3N_4:Nd_2O_3:Yb_2O_3=90:5:5を用い、Si_3N_4不純物酸素量に相当する希土類金属錯体をアセトニトリル錯体として添加し、1850℃で2〜8h焼結したが、相対密度は焼結時間に関わらず60%前後と極めて低く、熱伝導率は30〜40W/m・K程度と低い値であった。しかしながら、Maxwellの式で推定した緻密体の熱伝導率は80W/m・K以上であり、脱酸素焼結助剤を添加しない場合の72W/m・Kよりも高い値であった。そこで、本年度は、ホットプレス(HP)法を用いて緻密体を作成し、その熱伝導率を測定することによって、脱酸素焼結助剤の効果を確認することを試みた。しかしながら、1800℃でHPを行い緻密体を得た後、1850℃で熱処理を行った結果、焼結体に大きな膨れが生じた。これは、HPによって、添加したYCl_3が完全に熱分解する前に緻密化したためと思われる。よって、現在、脱酸素焼結助剤を添加せずに低温で焼結した多孔体(相対密度=70〜90%)に、脱酸素焼結助剤である錯体溶液を含浸させた後、熱処理を行うという全く新規な方法を用いて試料を作成中である。 2.第4族窒化物、及び、炭化物焼結助剤の添加効果 第4族の窒化物、及び、炭化物を脱酸素焼結助剤として上記の焼結助剤系へ添加した焼結体を評価した。熱力学計算は、MX(M=Ti,Zr or Hf,X=N or C)のうち、ZrとHfの窒化物のみが脱酸素焼結助剤として働く可能性があることを予測したが、MXを添加した焼結体は、すべて、無添加に比べて熱伝導率が低くなった。しかしながら、第4族窒化物を添加した場合、著しく焼結性が改善されるという意外な効果があることが判明した。
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Research Products
(2 results)