2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリシランの紫外光分解を利用したマイクロレンズアレイの作製に関する研究
Project/Area Number |
16550160
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Research Institution | Industrial Research Institute of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
櫻井 芳昭 大阪府立産業技術総合研究所, 化学環境部・化学材料系, 主任研究員 (50359387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和郎 大阪府立産業技術総合研究所, 情報電子部・電子・光材料系, 研究員 (30315163)
長山 智男 大阪大学, 大学院・工学研究科・物質生命工学専攻, 助手 (90304005)
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Keywords | ポリシラン / マイクロレンズアレイ / 紫外光分解 / イオン性ポリマーコロイド / 交互吸着法 / イオン性相互作用 |
Research Abstract |
当該研究では、ポリシランの紫外(UV)光分解によって誘起される膜の物性変化を利用した応用展開を図っている。その一つである水に対する膨潤性および撥水性の変化に着目し、紫外光分解のパターニング部分へのsol-gelガラスの導入やポリマー電着法を用いることで、比較的簡単にマイクロレンズを作製できることを示してきた。今回、ポリシランのUV光分解により生成するSi-OHの示すイオン性相互作用に着目し、イオン性ポリマーコロイドの付着を利用したマイクロレンズアレイの作製を行った。 ポリシランとしてpoly[methyl(phenyl)silane](PMPS)を用い、ガラス基板上にトルエン溶液からのスピンコート法により製膜し、直径10μm円形パターン配列にUV光分解パターニングを行った。この試料を、カチオン性ポリマーコロイド分散水溶液(ハニーレジストE-2000)に15分間浸漬し、ポリマー粒子の吸着を行った。引き上げ後、脱イオン水でのリンスを行い、大気下オーブン中で130℃にて加熱処理を行った。 得られた試料の表面形状観察から、広範囲に渡り凸レンズ状の構造が形成されていることを確認した。この方法はポリマー電着法と異なり、基板に電極を必要とせず、種々の材質にマイクロレンズの作製が可能であることから、その利用用途の拡張が期待できる。 また、反対の電荷を有するポリマーコロイド粒子をパターニング部分に交互に吸着させる交互吸着法を用いてもマイクロレンスが作製できることを示した。 以上、ポリシランのUV光分解部分とイオン性ポリマーコロイドとのイオン性相互作用を利用した、新たなマイクロレンズアレイ作製方法の開発に成功した。この方法を用いれば、堆積量を制御することでレンズアレイのみならず、微小構造物の作製も可能である。
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Research Products
(6 results)