2004 Fiscal Year Annual Research Report
粘土と有機カチオン分子の吸着時における電荷分布の解析
Project/Area Number |
16550163
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
立花 宏 東京都立大学, 工学研究科, 講師 (00163478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晴夫 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (90087304)
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Keywords | 粘土 / 層状化合物 / 表面電荷分布 / 分子軌道計算 / MOPAC / カチオン性ポルフィリン / 固体表面吸着 / ニオブ酸 |
Research Abstract |
Sumeton SA等、数々の粘土モデルを作成し電荷発生源の位置を変化させた場合について、4価のカチオン性ポルフィリンの吸着挙動を調べた。その結果、ポルフィリンの初期位置にはよらず、電荷発生位置近傍に移動した収束構造が得られ、計算手法としては、局所安定解にとらわれることの少ない安定した構造最適化計算が行えるようになった。これらについて、2004年日本コンピューター化学会春季年会及び第48回粘土科学討論会にて発表した。 また、2価ポルフィリンの場合は、4価ポルフィリンとは吸着挙動が異なり、溶媒組成(極性)の変化により粘土表面に平面吸着する場合と、ある角度をもって立ち上がった構造をとる場合があることを、光二色性測定などによって共同研究者らが実験的に確認している。これらの構造についてMOPAC/PM3,PM5,AM1法により検討し、粘土表面にポルフィリンが立った状態が、局所安定構造として存在することを確認した。また、吸収スペクトル及び、遷移モーメントの計算を行い、実測値と良い相関を得た。 粘土と同様の層状化合物であるニオブ酸(K_4Nb_7O_<16>)は、表面電荷の発生メカニズムとその密度が粘土と異なり、環境の異なる2種類の層間を持っているなど、色素を吸着させた場合の光化学的挙動は粘土と同様に興味深い。ニオブ酸の結晶構造模型をX線回折による実測値を基に作成した。半経験的分子軌道法プログラムMOPACは、Nb原子のパラメータを持たず計算不可能なため、小さな系を非経験的分子軌道法プログラムGaussian98及び03を用いて計算した。また、同じ系についてNbをVA族などの原子について置き換えた構造について計算した。結合長と電荷等を比較検討したところNbをSbに置き換えたケースが最適であった。Sbは、MOPACによって計算可能であるので、原子数の多い(100〜1000)系についての検討を行っている。
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Research Products
(1 results)