2004 Fiscal Year Annual Research Report
排ガス浄化性能を有する複合酸化物の合成と構造制御の研究
Project/Area Number |
16550167
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小澤 正邦 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30252315)
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Keywords | セリウム / 酸素貯蔵能 / 触媒 / セラミックス / 希土類 / 自動車 / 排ガス / 微粒子 |
Research Abstract |
酸化セリウム系の排ガス浄化用複合酸化物の合成と構造制御に関する研究を行った。今年度は、微粒子合成を中心に遂行し以下のような成果を得ている。合成法として、水溶液からの酸化セリウム微粒子合成を低温で行うプロセスを開発するとともに、その触媒および構造的物性を研究した。合成条件の詳細を検討したところ、複数の合成因子を選択し組み合わせれば、微粒子の粒径、結晶性、凝集性の制御が可能であり、触媒活性にすぐれた微粒子を高収率で得られることがわかった。 触媒の高温利用においては焼結現象の制御も重要であることが知られている。このため、セラミックスの方法を用いて、微粒子の特異な焼結現象を研究したところ、これまで知られていなかった異常な高温挙動を見出した。今回得られた微粒子は1200℃程度まで比較的粒成長しにくくさらに高温で急に焼結する減少を示した。ナノサイズ微粒子特有の高温挙動であると考えられる新しい現象を見出した。 複合化の観点から、セリウムと他の金属酸化物との協奏効果について検討している。さらに、これの微粒子の酸素放出を現在調べている。その結果の一部として低温の酸素放出を示唆する結果が得られており、今後酸素貯蔵能と触媒活性の面で、これらの合成材料を検討してゆく予定である。 本研究に関連して、希土類国際会議では自動車触媒とセリウム関連のセッションを設け、自動車触媒用の微粒子酸化セリウム触媒関係の興味ある現象についての研究成果を招待講演した。このほかでも主要な学会および学術雑誌に研究成果を報告している。
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