2004 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル現象を利用したゼオライト硬化体の創製と環境浄化への応用
Project/Area Number |
16550168
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩野 剛司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (30178850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 隆 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (40222400)
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Keywords | ゼオライト / メカノケミカル / 水ガラス / 硬化体 / 重金属 |
Research Abstract |
水ガラス、水酸化アルミニウムから合成される無機硬化体が、バルク状ゼオライトの前駆体になりうる可能性を明らかにすると共に、水酸化アルミニウムへのメカノケミカル処理がゼオライト生成に及ぼす影響を調べた。さらに、バルク状ゼオライトを合成するための組成の検討を行った。 出発原料には、カリウムシリケート溶液(水ガラス)、水酸化アルミニウムを用いた。水酸化アルミニウムにはあらかじめ乾式で媒体攪拌型粉砕機を用いてメカノケミカル処理を行った。これらの原料をゼオライト組成(K:Al:Si=1:1:1)となるように秤量・混合し、ゼオライト前駆体を合成した。得られた前駆体を40・〜200・Cの範囲で熱処理し、結晶相を同定した。140・C以上の熱処理温度でゼオライトF型の生成が認められた。この生成温度は、カリウムの添加量に大きく依存し、カリウムの添加の増加と共に、生成温度は著しく低下することが明らかになった。カリウムの添加量が、K:Al:Si=1:1:1の組成ではゼオライトの生成に140・C以上必要であったのに対し、K:Al:Si=1.5:1:1、K:Al:Si=1.5:1:2の組成では、それぞれ80・C、60・Cでゼオライトが生成した。また、いずれの組成においても析出したゼオライトはゼオライトF型であった。ただし、カリウムを過度に入れた場合(K:Al:Si=1.5:1:2)には、合成されたゼオライト硬化体は耐水性を示さず、水の中で崩壊した。また、メカノケミカル処理を行わなかった場合には、ゼオライト単一相が合成できず、出発原料である水酸化アルミニウムが残存し、耐水性にも劣った硬化体となった。 以上、本年度の研究では水酸化アルミニウムへメカノケミカル処理が、比較的低い温度で単一相のバルク状ゼオライトを合成することに重要であることが明らかになった。
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