2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550171
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
米竹 孝一郎 山形大学, 工学部, 教授 (30143085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽場 修 山形大学, 工学部, 助教授 (70261328)
高橋 辰宏 山形大学, 工学部, 助教授 (60344818)
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Keywords | 磁場 / 液晶 / 炭素繊維 / プロセシング / 分子配向 / 導電性 / 光架橋 / 多層カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
本研究は磁場を用いて高分子の構造を制御しながら,従来の成形加工法では得られない新しい構造を持つ製品を成形する「磁場プロセシング法」を開発することを目的としている。加えて,磁場プロセシングに適する新しい機能性高分子の合成を行い,得られた成形品の構造と物性を解析し,新規材料の開発手法を構築することを目的とした。 そこで,磁場応答性の高い材料として側鎖型液晶高分子,デンドリマー液晶さらに光重合性液晶などを合成した。更に,磁場応答性に優れた材料として炭素繊維,更に多層カーボンナノチューブ(CNT)を用いて,高分子マトリックス内で磁場により配向構造を形成させて,導電性の向上を検討した。 側鎖型液晶高分子は等方性融液状態から磁場を印加しながら徐冷することにより比較的容易に配向構造を形成することが出来た。更に側鎖に光架橋基(カルコン基)を導入すると配向構造を紫外線(UV)光照射の光架橋により固定することが出来た。磁場を用いることにより偏光UV光のみの配向に比べて高度な配向を実現した。デンドリマー液晶は絡み合いが無いことから,スメクチックA相の温度域でも,磁場配向が可能であった。磁場をデンドリマーフィルム基板に対して種々の角度で印加すると,その方向にスメクチック構造が形成されメソゲンの配向を自在に制御できることを見出した。更に光重合型の液晶を用いると,3次元的に周期的に配向方向を変化させることを可能にした。また,磁場とフォトリソグラフィー技術を組み合わせることにより,フィルム内に分子配向制御によりパターン形成する「磁場プロセシング」技術を構築した。 炭素繊維,多層CNTを高分子マトリックス中で磁場配向制御する技術を構築した。特にフィルムの厚み方向に磁場を印加すると,CNTはフィルム面に垂直になりながらネットワーク構造を形成し,極めて高い導電率を発現できることを見出し,新しい導電フィルムの開発に成功した。
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Research Products
(4 results)