2004 Fiscal Year Annual Research Report
無水プロトン伝導性高分子の合成と高温無加湿形燃料電池への応用
Project/Area Number |
16550178
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 教授 (10245798)
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Keywords | プロトン / 高分子電解質 / 燃料電池 / 導電性 / リン酸 / フラーレン / スルホン化 / 発電 |
Research Abstract |
1.炭化水素系高分子電解質の合成と評価 高密度にリン酸基を有する炭化水素系高分子電解質、また複数の水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基を有するフラーレン誘導体を合成した。これらの新規有機電解質材料は高い吸湿性を有し、それによるプロトン伝導性の発現を確認した。さらに、多置換体による極性基の高密度化が実現され、無水状態におけるプロトン伝導性を実現した。 2.無水プロトン伝導性高分子の創成 フェーズI 上記とは別にアミノ基を有する塩基性の炭化水素系高分子電解質を合成した。本年度は、ポリスルフォンやポリフェニレン誘導体にアミノ基を効率的に導入する手法を確立し、数種類の塩基性高分子電解質材料を得ることができた。これら塩基性高分子電解質に対するリン酸のドープを検討し、酸塩基複合型の高分子電解質を得た。この電解質材料を用いた燃料電池は120-160℃の温度領域による発電が可能であり、200mWcm^<-2>程度の出力が得られた。 フェーズII 酸塩基複合型高分子電解質のプロトン伝導性を向上するために、リン酸以外の強酸の導入を試みた。超強酸によりプロトン伝導性の向上が期待されたが、超強酸成分の導入による電解質膜の可塑化が併発し、結果として良質な膜状態の高導電性材料は得られなかった。 フェーズIII 有機材料のみからなる無水プロトン伝導性高分子を実現するために、上述のリン酸基を有する炭化水素系高分子電解質と塩基性高分子電解質による酸塩基複合型の高分子電解質の作製を試みた。プロトン伝導性を有する電解質膜が得られるものの、室温付近の導電性は10^<-7>Scm^<-1>程度であり、燃料電池の実用レベルにはほど遠い値となった。加湿により、ある程度のプロトン伝導性の向上が得られたが、無加湿運転が可能な燃料電池を作製することはできなかった。
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Research Products
(5 results)