2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノコンポジットゲルにおける有機/無機ネットワークの形成機構と機能性制御
Project/Area Number |
16550181
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Research Institution | Kawamura Institute of Chemical Research |
Principal Investigator |
原口 和敏 (財)川村理化学研究所, 材料化学研究室, 室長 (10373391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 仁華 (財)川村理化学研究所, 合成化学研究室, 室長 (20373392)
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Keywords | ゲル / ナノコンポジットゲル / 有機 / 無機ネットワーク / in-situ重合 / 光透過率変化 / 温度応答性 / 光透過率変化 / 多孔質材料 / ナノコンポジット |
Research Abstract |
特異的な有機/無機ネットワーク構造を有するナノコンポジット型ヒドロゲル(ナノコンポジットゲル:NCゲル)の形成メカニズムの解明、およびそれにより発現されるNCゲルの新たな特性・機能性について研究した。 (1)有機/無機ネットワーク構造の形成機構の解明:無機クレイ(XLG)、モノマー(NIPA)、開始剤(KPS)、触媒(TEMED)からなるゲル反応溶液の粘度変化から反応溶液中の構造形成をまず調べ、引き続き、レドックス重合反応でのネットワーク形成機構を、振動粘度、XRD、UV-Vis、延伸試験などにより詳細に検討した。その結果、溶液中では層状剥離したクレイ層(30nm径×1nm厚)とNIPA、KPS、TEMEDが各々異なる相互作用を示す結果、安定したクレイ微粒子の分散が達成され、且つクレイ表面から選択的に反応が開始すること、ネットワーク形成の前段階として多数のグラフト鎖を表面に有するClay-brush粒子が形成されること、最終的にクレイを超多官能架橋剤としたネットワークが形成することなど、機構の概要が明らかとなった。 (2)NCゲルのin-situ重合反応過程において、従来の線状ポリマーおよび有機架橋ゲル合成では全く観測されなかった、光透過率のダイナミック変化が観測され、(1)で述べたClay-brush粒子の形成及び消失に伴う現象であることが明らかとなった。 (3)NCゲルの新たな機能性に関する検討:温度応答性高分子(PNIPA)からなるNCゲルを用いることにより、PNIPA分子鎖のLCST(下限臨界共溶温度)でのコイル-グロービュラー転移に伴う力を世界で初めてマクロな力として取り出すことに成功した。 (4)また、NCゲルを凍結乾燥することにより、新規な三層構造を有する多孔質ナノコンポジット材料が得られること見出した。
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