2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560006
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市村 正也 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30203110)
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Keywords | 光化学堆積法 / 半導体薄膜 / 酸化物薄膜 / 太陽電池 / ガスセンサー / 透明導電膜 / 硫化亜鉛 / 酸化スズ |
Research Abstract |
太陽電池用半導体薄膜であるZnSと、透明導電膜およびガスセンサーに用いられるSnO_2を光化学堆積法にて作製した。 ・ZnS薄膜堆積 硫酸亜鉛とチオ硫酸ナトリウムの水溶液に紫外線を照射することでZnSが生成する。本年度は太陽電池への応用を目的とし、大面積化、高品質化を目指した。高品質化については、硫黄源であるチオ硫酸イオンの濃度を上げるとともに、亜硫酸を加えることで組成が化学量論的になり光学特性が大幅に改善されることを見出した。また光電気化学測定によりこの膜が光感度を持ち、n型の伝導性を示すことがわかった。このZnS薄膜をp型半導体であるSnSの上に堆積させたところ整流性が得られた。ZnS/SnS構造で整流性が観測されたのは初めてである。また整流性のあるヘテロ構造を光化学堆積法にて作製したのもこれが最初である。 大面積化については、従来の超高圧アーク水銀灯に代わり,グロー放電の高圧水銀灯を用いた堆積実験を開始した。100Wという小さな電力のランプで5cm径の堆積膜を得ることができたが、堆積速度が小さいため、今後条件の見直しが必要である。 ・SnO_2薄膜堆積 硝酸スズの水溶液に紫外線を照射することでSnO_2が生成する。本年度は特に初期の結晶核形成過程について研究を行った。核形成過程の制御は局所的な選択成長と再現性向上に不可欠である。ビーカ中に基板を浸して光照射する従来の方法に代わり、ドロップ法を採用することで、確実な核形成が行われることがわかった。ドロップ法とは、基板に数滴堆積溶液をたらしそこに光照射する方法である。溶液の中の生成物が確実に基板に到達するため、核が形成されやすい。なお紫外レーザを用いた堆積はレーザの入手が遅れ実施できなかった。
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