2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560006
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市村 正也 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30203110)
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Keywords | 光化学堆積法 / 半導体薄膜 / 酸化物薄膜 / 太陽電池 / ガスセンサー / ZnS / CdZnS / 酸化スズ |
Research Abstract |
太陽電池用半導体であるCdS、ZnS、Cd_<1-x>Zn_xSを堆積し、SnSと積層して太陽電池を作製した。またSnO_2を堆積し、水素ガスセンサーを作製した。 ・太陽電池用薄膜堆積 硫酸亜鉛とチオ硫酸ナトリウムの水溶液に紫外線を照射することでZnSが生成する。前年度の実験により、硫黄源であるチオ硫酸イオンの濃度を上げるとともに、亜硫酸を加えることで組成が化学量論的になり光学特性が大幅に改善されることを見出した。今年度はp型半導体であるSnSの上に堆積させたZnS/SnS構造で光起電力特性を評価した。その結果、微弱だが光起電効果を観測した。同様に光化学堆積のCdSおよびCd_<1-x>Zn_xSとSnSを組み合わせた太陽電池を作製した。比較的良好な整流性と光起電特性が得られ、Cd_<1-x>Zn_xSの方が電流、電圧ともCdSよりも優れていた。得られたエネルギー変換効率は最大で0.7%だった。光化学堆積法で作製したpn接合で光起電特性が観測されたのはこれが初めてである。 ・SnO_2薄膜堆積 硝酸スズの水溶液に紫外線を照射することでSnO_2が生成する。本年度は昨年に開発したドロップ法を用いて薄膜を作製し、水素ガスセンサーへの応用を目指してセンサー特性の測定を中心に行った。従来のガスセンサーは300℃程度以上に加熱してはじめて感度が得られるが、本研究で作製したSnO_2膜は室温にて0.5%水素濃度で電流値が約一桁上昇するという高い感度を示した。これは膜が微粒子にて構成されていることでガスとの表面反応の影響が強く現れたためと考えられる。光化学堆積の特徴が有利に働いた結果といえる。
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Research Products
(1 results)