2004 Fiscal Year Annual Research Report
相変化型光メモリー材料における記録層の非晶質局所構造と結晶化速度の関係
Project/Area Number |
16560008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石丸 学 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00264086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
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Keywords | 相変化型記録材料 / ナノビーム電子回析 / 動径分布解析 / Ge-Sb-Te |
Research Abstract |
レーザー光による加熱によって結晶状態とアモルファス状態を可逆的に変化する「相変化型記録材料」は、DVD-RAMやCD-RW等に利用されている。相変化型記録材料はアモルファス-結晶相転移を利用するため、アモルファス構造の結晶化速度に及ぼす影響に関する知見が必要不可欠である。しかしながら、現在商品化されているDVD-RAMでは記録層の厚さは20nm程度であるため、バルクアモルファスの構造解析に用いられている通常のX線回折、中性子回折、電子回折では、実用化されている相変化型記録材料の解析は不可能である。本研究では、先端的電子顕微鏡技術を用いて相変化型記録材料の極微構造解析を行った。 本年度は、機械研磨、化学エッチング、イオンミリングを併用することにより、相変化型記録材料の断面透過電子顕微鏡試料の作製技術を確立した。得られた試料を高分解能透過電子顕微鏡法およびナノビーム電子回折法により観察した。Ge-Sb-Te記録層から得られたナノビーム電子回折図形はハローパターンを示し、高分解能像もアモルファス特有のソルトアンドペッパーコントラストを呈していた。ただし、高分解能像中には原子配列が局所的に規則配列した中範囲規則領域(2〜3nm)が存在することが確認された。Ge-Sb-Te非晶質薄膜中に観察された中範囲規則領域は、Ge-Sb-Te結晶相とほぼ等しい構造を有することが自己相関関数解析より明らかとなった。非晶質相における中範囲規則領域と結晶構造の類似性がGe-Sb-Te非晶質薄膜の高速結晶化の一因であると考えられる。
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Research Products
(3 results)