2006 Fiscal Year Annual Research Report
TypeII二重サブバンド構造超格子の光up-conversion機構
Project/Area Number |
16560015
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
今井 和明 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40001987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 信行 北海道工業大学, 総合教育学部, 教授 (10204984)
澤田 孝幸 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40113568)
鈴木 和彦 北海道工業大学, 工学部, 教授 (30226500)
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Keywords | II-VI族半導体 / 超格子 / Type-IIバンド構造 / MBE成長 |
Research Abstract |
本研究ではtype IIのエネルギー構造を持つZnSe-ZnTe超格子を特殊な構造設計に基づいてMBE成長させ、この素子がその特徴として有する光up-conversion効果の発現機構を解明した。 ZnSe-ZnTe超格子の場合、価電子帯(V.B.)におけるバンドオフセットが伝導帯(C.B.)におけるそれよりも大きいため、nativeにp型であるZnTe層の厚さがバンドギャップに大きく影響する。本研究における超格子素子の構造は、具体的には、GaAsもしくはZnSe基板上に、ZnSeと薄いZnTeを交互に積んだ部分と、厚いZnTeを交互に数回積んだ部分を単位として、数百回繰り返し育成する。即ち、基底状態として高い量子レベルHを形成する狭い井戸層部分と低い量子レベルLの広い井戸層部分が、順次隣り合わせで存在するような構造をとる素子を作製した。この素子が可視領域光の波長変換効果(up-conversion)を持つ。 本研究では、ZnSe、ZnTeそれぞれの層の厚さをパラメータに、主としてフォトルミネッセンス(PL)スペクトルの励起光強度依存性を詳細に調べ、光up-conversion効果の発現機構を明らかにした。 平成18年度では新たに設計したDSB超格子と共に,これまで我々が報告したDSB超格子の構造を再評価し,その波長変換光の励起光強度依存性によりそのメカニズムを探った.その結果,波長変換光はV.B.のZnSe層(バリア層)をトンネルする過程を含む2段階吸収による発光であり,その発光レベルは直接励起のH levelピークと同一のtype-IIのレベルからの発光であることが明らかになった. この結果は波長変換光が我々が従来提唱してきた遷移過程を踏んだ発光であることを強く支持すると云える.
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Research Products
(4 results)