2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体機能性単-分子の力学的検出の目指す極限空間/時間分解能プローブ顕微鏡の開発
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16560027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
影島 賢巳 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90251355)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 高速化 / 生体分子 / 固液界面 / 水晶振動子 / 圧電素子 / 電荷 / ヒシテリシス |
Research Abstract |
高速かつ高制御性の原子間力顕微鏡を実現することを目的に研究を行ってきた。当初着目したのは、圧電効果を利用した水晶振動子を用いて、液中環境でも高い制御性を維持でき、自己検出可能なAFMシステムを開発することであった。特に、500-1000kHz程度という非常に高い共振周波数を持つことが知られている長辺振動型のものを用いれば、高速の動作も可能となることを期待した。しかし、現状で入手可能な水晶振動子の種類は限られており、必然的に弾性定数が10^6N以上という、非常に固いものにならざるを得ず、その割に共振のQ値は水中で10^4以下であったため、その感度面での性能は従来型のカンチレバーセンサーに比して優れたものとはいえないことが分かった。これは、水晶振動子の固定方法の精度に由来すると考えられる。これを改善するには、水晶の微細加工技術のレベルからの改善および振動子のデザインそのものの最適化が必要であると考えられ、本研究の規模では対処できないレベルのものである。圧電効果を利用した自己検出型のセンサーというアイデアは、センサーの変形による応力が直接に信号を生み出すため、素子の加工精度さえ確保できれば理論感度を容易に達成できる性格のものであり、今後の課題として勝ちあるものといえる。.また、高速化のための要素技術として、走査機構の高速化たついても研究を実施した。通常、走査用の圧電素子は機械的な共振を持ち、これが動作速度を制約する。そこで、負帰還により共振を抑制することを考えるが、そのための変位量検出として、変位に比例して発生する電荷を検出することを新たに提案した。これにより、共振を効果的に抑制するだけではなく、低域におけるヒシテリシスも抑制できることが判明した。
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Research Products
(2 results)