2005 Fiscal Year Annual Research Report
Ce添加カルシウムチオガレート結晶の光利得特性とレーザ発振
Project/Area Number |
16560034
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
打木 久雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50142237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 久仁彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (30334692)
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Keywords | カルシウムチオガレート / 励起状態吸収 |
Research Abstract |
Ce添加カルシウムチオガレート(Ce : CaGa_2S_4)結晶を用いて、準位寿命、吸収・誘導放出断面積、励起状態吸収など、レーザ発振に関与する種々の光学定数をパルス幅1ナノ秒の色素レーザを用いたポンプープローブナノ秒時間分解分光法を用いて測定し、得られた値をもとに実際に共振器を組み、Ce:CaGa_2S_4による青緑域波長可変レーザーを開発することが研究の目的である。発光寿命が40ナノ秒程度であることから光利得過程のダイナミクスの研究には1ナノ秒の時間分解があれば十分と考え、本補助金により、パルス幅1ナノ秒の窒素レーザおよび色素レーザを導入した。波長425nmの色素レーザパルスを励起源に用いて、発光強度の励起光強度依存性を調べたところ、発光強度の飽和が観測された。レーザ上準位(励起状態)から更に上の状態への励起光吸収遷移による励起状態吸収(ESA)を考慮した5準位モデルを用いて解析し、励起状態吸収断面積σが1×10^<-16>cm^2程度であることが分かった。基底状態から励起中間状態への励起光の吸収断面積が2×10^<-18>cm^2程度であることと比べると、この励起状態吸収断面積は非常に大きい値であり、Ce添加カルシウムチオガレート結晶をレーザ媒質へ応用する際の大きい問題点になることが分かった。波長425nm、パルスエネルギー10μJのナノ秒色素レーザ1を励起光に、460〜600nm波長可変、5μJのナノ秒色素レーザ2を検索光とするポンプ-プローブ分光を行ない、利得の有無を調べた。その結果、負の利得(損失)が観測され、励起状態吸収断面積が誘導放出断面積より大きいことが分かった。ポンプ光とプローブ光の時間間隔を変えて、損失の時間特性を調べたところ、18ナノ秒の時定数を持っていた。この値は励起状態の寿命(36ナノ秒)となるべきであるが、実験結果はその半分であった。この原因は未だ不明である。
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Research Products
(1 results)