2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560042
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮崎 智行 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80037241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 正則 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70135383)
河野 宣之 自然科学研究機構国立天文台, 電波研究部, 教授 (10186116)
安田 茂 鹿児島大学, 工学部, 助手 (30253909)
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Keywords | 超長基線電波干渉計 / 電波伝搬 / 大気位相揺らぎ / 静止衛星 / ビーコン電波 / 気象観測 |
Research Abstract |
本研究は、実時間3局VLBI(超長基線干渉計)観測システムを利用して各局における大気位相揺らぎを高精度に計測する方法を確立し、大気位相揺らぎのより詳しい研究を、特に、これまで明確でなかった1000秒以上の長周期成分、ならびに10秒以下の短周期成分の性質を明らかにすることを目的としている。 本年度は、大気ゆらぎ測定を目的としたVLBI用受信装置を開発・製作し、VLBI観測における位相検出感度の評価を行った。製作したVLBI用受信装置は、口径1.2mアンテナ、低雑音前置増幅器、12GHz→1.4GHz周波数変換器、ビデオバンド周波数変換器、A-D変換器、データ収集パソコンで構成されており、12GHz帯静止衛星ビーコンを40kHzのサンプリング速度で24時間連続記録することができる機能を有している。模擬信号を用いた実験より、0.1秒から数1000秒の変動周期をもつ大気位相変動に対して十分高い検出能力を有していることが確認できた。 製作した受信装置を、鹿児島市錦江湾公園、国立天文台水沢観測所および情報通信研究機構鹿島宇宙通信研究センターの3観測地点に設置して構成した3局VLBI観測網によりB-SATのビーコン電波の24時間連続観測を数回実施した。同時に、鹿児島市錦江湾公園の口径6m電波望遠鏡および国立天文台水沢観測所の口径10m電波望遠鏡を用いた19GHzでの大気位相揺らぎの2局観測、雲の動きの定点観測画像(動画)、地上付近の気温、風速、風向、気圧の観測も実施した。 12GHz帯の3局VLBI観測により得られた3組の干渉位相データから、各観測局上空の大気揺らぎを分離できることが確認できている。今後、各観測局上空の大気相揺らぎと気象観測データの関係、12GHzと19GHzの位相揺らぎの関係を1秒以下から数1000秒の広範囲の位相変動周期について明らかにしていく予定である。
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Research Products
(2 results)