2005 Fiscal Year Annual Research Report
周波数変化型高感度MEMS加速度センサに関する研究
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16560043
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
菅原 澄夫 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (00007197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 すばる 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (20214968)
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Keywords | 加速度センサ / 単結晶シリコン / MEMS / 力センサ / 横振動子 / 軸力 / 有限要素法解析 / 共振周波数変化 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の各種成果をもとに、単結晶シリコン1軸加速度センサの設計法の確立並びに試作結果の詳細な検討を行い、十分実用に供し得ることを明らかにした。得られた具体的結果を要約すると、以下のようになる。 1.力センサとして使用する圧電型横振動子について (1)圧電型横振動子上のAg下部電極膜、PZT圧電膜及びAu上部電極膜の厚さは、それぞれ0.5、2.5及び0.25μmに選定した。 (2)Au電極は中央アーム両端部近傍の2カ所に設ける構造とし、一方は駆動用、他方はモニター用として、自励発信器構成とする必要がある。 (3)振動子の高効率駆動のためには、中央アームの歪分布がその中央部と両端部では正負異なることを考慮して、アーム両側2カ所の上部電極長は何れもアーム全長の20%程度に選定する必要がある。 (4)振動子の入力インピーダンスを有限要素法解析して、その値が最小及び最大となる周波数値から共振周波数及び反共振周波数を求め、これらの値を用いて振動子の等価回路定数を算出したが、実験値とは異なる結果が得られため、今後さらに詳細な検討が必要と考えられる。 2.加速度センサとしての特性について (1)本加速度センサは静的加速度にも応答する。 (2)センサのz軸回りの回転に対しては、y軸方向の感度は8字特性を有する。 (3)センサのx軸回りの回転に対しても8字特性を有するため、α_z=-1G(G=9,8m/sec^2)一定印加の重力場では傾斜角センサとしても利用可能である。 (4)試作した加速度センサの素子単体の体積は、約4×4.8×0.5mm^3である。 (5)試作センサの感度は、ほぼ4,000ppm/Gである。 本研究で検討した加速度センサ構成は、単結晶シリコンに限らず、圧電単結晶を利用してももちろん構成できるもので、さらに温度特性が良好で高効率駆動の可能なセンサに成り得ると考えられる。また、MEMS技術の進展によりさらなる高感度化や小型化が可能であろう。さらに、本センサの多軸化や複合化についても推進すべき課題と言える。
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