2004 Fiscal Year Annual Research Report
PMTの斜入射光特性の測定とこれに基づいた無機シンチレータの絶対発光効率の確定
Project/Area Number |
16560047
|
Research Institution | Saitama Prefectural University. Junior College |
Principal Investigator |
柴村 英道 埼玉県立大学短期大学部, 基礎教育, 教授 (30100605)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 慎一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助教授 (80178649)
|
Keywords | 光電子増倍管 / 量子効率 / 反射率 / 入射角特性 / 光学結晶 / 蛍光効率 / ヨウ化ナトリウム / ガンマ線検出 |
Research Abstract |
今年度は、ヨウ化ナトリウム光学結晶との組み合わせで使用するR878、およびヨウ化セシウムとの組み合わせで使用するR375の2つの光電子増倍管(PMT)について、斜め入射光子に対する光-電子変換効率と反射率とを測定した。光源はRGB(Red, Green, Blue)の3色発光ダイオード(LED)を細いスリットを持つ黒色の円筒に封入したものである。この発光ダイオードはRedを選択すると波長640nmの、Greenでは波長525nmの、Blueでは波長470nmの光を放射することが出来る。このダイオードを幅1μ秒以下の矩形波で駆動した。駆動周波数は約100Hzとした。PMTに半正24角形のライトガイドを光学グリースを用いて接合し、15度から75まで15度刻みの入射角について実験を行った。このライトガイドの屈折率はPMTの窓剤の屈折率とほとんど等しいので、光はライトガイドとPMT窓間でほとんど屈折を受けることなく直進する。 R878 PMTについては、量子効率は入射角が60度のときが最大、反射率は入射角が45度のときが最大であった。このことは波長が640nm、525nm、470nmの光に対して共通に成立した。R375 PMTについても同様の結果を得た。R878 PMTについては、メーカ測定の量子効率は、470nmで23.5%、525nmで14.6%であるが、もし"真の"量子効率を、PMT光電面で吸収されたか、あるいはこれを通過した光子数とそのときの光電子数の比とするならば、光がPMTに対して等方的に入射する場合には"真の"量子効率は470nmの光に対してはメーカ測定の量子効率より、約50%、525nmの光に対しては約100%も大きいことが分かった。ガンマ線検出用光学結晶の発光効率の決定に際しては、"真の"量子効率を考慮する必要がある。
|
Research Products
(1 results)