Research Abstract |
従来は非線形問題や物体力を伴う解析を境界要素法で行う場合,内部をセルで分割して解析を行っていた.三重相反境界要素法では,内部セルを用いないで内点を使用するので,データ作成が容易になる.以下に,研究成果を示す. 1.解析が困難な大変形解析が内点の使用で可能になった.また,有限要素法で,大変形解析する場合,再メッシュ分割を行わなければならないが,本手法では境界のみの再分割で解析が可能であり,利点を示すことができた.以前,二次元問題で塑性変形の初期の解析は,メッシュレスで行えることを示していたが,今回は二次元ではあるが大変形解析が可能であることを明らかにした.成果を第10回計算工学会講演会にて発表した.また,6^<th> International Conference on Boundary Element Techniques(2005.July, Canada, Invited Lecture)で発表を行った.大変形解析を可能とするための近似を取り除く方法を研究した. 2.三次元の弾塑性解析のプログラムを完成させた.その成果を機械学会2005年度計算工学部門講演会(2005.9)で発表を行なった.計算時間がかかることやマトリックスが大きくなるなどの問題点があるが,メッシュレスで解析が可能となった. 3.非定常問題を時間依存の基本解を使用することにより,精度良く,しかも計算効率も良い方法を三重相反境界要素法を用いて示した.Engineering Analysis with Boundary Elementsに掲載された. 4.三重相反境界要素法により,熱発生を伴う三次元定常解析を内部セルを用いないで解析する方法を,熱弾性ポテンシャルの考えを用いて確立した.27^<th> World Conference on Boundary Elements(2005,March, U.S.A.,Invited Paper)で発表した.また,International Journal of Numerical Methods in Engineeringに掲載された. 5.三重相反境界要素法は,種々の解析対象に応用できるが,一般的数値積分法としても使用できる.スロバキヤのV.Sladek, S.Sladekと共同研究を行った軸対称問題における数値積分法に関する論文が,Communication in Numerical Methods in Engineeringに掲載される.既に,WEB上では掲載されている. 6.比重が不均質な場合の自重に関する物体力の問題は既に解決させていたが,本研究で遠心力を伴う比重が不均質な場合の定式化方法を完成させた.成果を第11回計算工学会講演会(6月12日から6月14日)にて発表する予定である.
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