2005 Fiscal Year Annual Research Report
予荷重を受けた積層構造の波動伝播特性の解析とヘルスモニタリングへの応用
Project/Area Number |
16560062
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 喜久雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30111652)
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Keywords | 圧縮性 / 分散 / 弾性波 / 層状複合材料 / 予荷重 / 減衰率 |
Research Abstract |
本研究では不完全な結合状態にある境界面を有するプレストレスを受けた圧縮性層状対称複合材料を対象として、その複合材料中の調和波の伝播特性について検討した。不完全な結合状態にある境界面はせん断ばね抵抗モデルで表現しており、完全固定や完全すべりの境界面の場合の検討にもそのまま適用可能である。分散関係は増分境界値問題を定式化し、伝播マトリックス法を構成することによって評価した。その結果、対称の波と非対称の波の分散関係の挙動は低波数限界や高波数限界で類似していることが明らかになった。特に低波数限界では、完全固定と不完全固定の境界面のケースで初期モードのみ有限な位相速度が存在し、その他の高次モードでは無限の位相速度を持っていることを示した。一方、完全すべりの境界面を持つケースの低波数限界では初期モードと第二次モードの両方に有限な位相速度が存在する。さらに、低波数領城で無限の位相速度を持っている高次モードに関してカットオフ振動数を計算する式が求められ、高波数限界では初期モードと高次モードの位相速度が表面波あるいは境界面波の位相速度か複合材料の限界位相速度になる傾向があることが示された。繰り返し計算の例として二変数のneo-Hookean素材かVarga素材が仮定され、計算結果では不完全固定の境界の効果が示される。 また、プレストレスを受けた境界面に応力を持たない半無限の圧縮性複合材料帯の応力減衰率が研究された。対称変形と非対称変形に関して、応力減衰率についての特性方程式が二つの方法を用いて求められた。低程度の引き伸ばしを受けた場合の両種類の変形について、限界減衰率が漸近法によって示された。最も遅い減衰は最小根が現れるときに見られるので、解析の焦点は最小根にあてられた。さまざまな厚さ比に対応する減衰率曲線が、非圧縮性素材に近い素材と強い圧縮性をもつ素材に関して求められた。
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Research Products
(4 results)