2004 Fiscal Year Annual Research Report
下限界近傍疲労き裂進展挙動の新展開とそのメゾモデリングによる現象の発生予測
Project/Area Number |
16560065
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯井 俊行 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10313727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福元 謙一 福井大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30261506)
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Keywords | 破壊力学 / 疲労き裂進展 / 下限界応力拡大係数範囲 / 静的破壊機構 / 最大応力拡大係数 / 環境効果 / メゾスコピックモデル / き裂閉口 |
Research Abstract |
下限界応力拡大係数範囲ΔK_<th>(=K_<th,max>-K_<th,min>)についてはここ数年間に新展開があり,従来ΔK_<th>の影響因子と考えられていた「き裂閉口」「環境」が考えにくい状況下K_<th,max>増によるΔK_<th>の漸減現象が特定の材料に対し報告されている.本研究では,平成16年度にまずK_<max>一定下ΔK_<th>試験を実施することにより「き裂閉口」がない状態を,恒温アルゴンガス雰囲気中にて試験を行うことにより「環境」の影響がない状態を実現し,この下で申請者らが提案しているメゾスコピックモデルによりK_<th,max>増によるΔK_<th>の漸減現象が現れると予測される材料(たとえばS55C)に対し予測の妥当性を実験的に検証する.あわせてSLC(Sustained Load Cracking)試験を大気中で行うことにより保持荷重下のき裂進展が大気中であってもないことを実験的に検証することが本年度の計画であった. このため平成16年度はまず既存のK_<max>一定下ΔK_<th>試験システムの改造を行った.具体的には, -不活性ガス炉を自作し,既存の疲労試験機に取り付けた -既存のK_<max>一定下ΔK_<th>試験制御用プログラムをクリップゲージ法対応のものに改造した -SLC(Sustained Load Cracking)試験を実施できるように試験機の制御プログラムを改造した その後K_<th,Max>増によるΔK_<th>の漸減現象が現れると予測された材料(S55C)に対し ・大気中にてK_<max>一定下ΔK_<th>試験を行った結果,S55Cに対し予想通りにK_<th,max>増によるΔK_<th>の漸減現象が現れることを確認した ・S55Cに対し大気中でSLC試験を行った結果き裂進展は観測されないことを確認した ・S55Cに対し不活性ガス雰囲気中でK_<max>一定下ΔK_<th>試験を行った結果,S55Cに対し予想通りにK_<th,max>増によるΔK_<th>の漸減現象が現れることを確認した 以上の結果より申請者らが提案しているメゾスコピックモデルによりK_<th,max>増によるΔK_<th>の漸減現象が予測できること,そしてその原因として環境効果が考えにくいことを実験的に確認した.
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Research Products
(1 results)