2004 Fiscal Year Annual Research Report
電磁超音波センサを用いたCFRP積層板における層間はく離の非破壊評価
Project/Area Number |
16560077
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山嵜 友裕 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80230382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元木 信弥 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40221626)
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Keywords | CFRP / 層間はく離 / 非破壊検査 / 板波 / 電磁超音波センサ / 損傷評価 |
Research Abstract |
CFRP積層板に発生した層間はく離の検出を目的として,電磁超音波センサを用いて板波音速測定を行った.板波の音速は周波数と板厚に依存するため,層間はく離が発生して板波の伝ぱ経路の板厚が減少すると音速が変化する.この板波音速変化から層間はく離を検出する手法をCFRP積層板に適用する.導電性のないGFRP積層板に対しては,コイルを積層板中に埋め込みその上に磁石を置いて構成した電磁超音波センサで板波の送受信が可能であることが確認されている.CFRP積層板にはある程度の導電性があるため,渦電流と静磁場との相互作用であるローレンツ力を利用する金属用電磁超音波センサを適用できる可能性がある,蛇行コイルおよび永久磁石とからなる板波用電磁超音波センサを製作し,CFRP積層板中の板波の送受信を試みた. 試料として,渦電流を発生させやすくするため,平織りクロスプリプレグを積層しオートクレープ成形したものを用いた.まず,送受信いずれかのセンサの静磁場を逆向きにすると板波の位相が反転することを利用し,送信センサの磁石を反転させて送信信号の漏れと重畳された波形から板波信号だけを抽出する手法を用い,さらに受信センサ設置面の裏側に軟鋼ブロックを接触させて静磁場強度を増加させることにより,電磁超音波センサが従来の圧電センサと比較して変換効率が低いことを補えることを確認した.次に,人工はく離を導入した積層板において送受信子間距離を変化させながらそれぞれの伝ぱ距離に対する波形を取り込み,中心周波数近傍の周波数成分の音速を求めた.はく離によるわずかな音速変化をとらえる可能性は確認できたが,端面エコーとの干渉があるため,試験片の周囲四辺を端面エコーが受信されないように加工する必要があることがわかった.
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