2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560079
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
町田 賢司 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50089380)
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Keywords | デジタル画像相関法 / ハイブリッド法 / 赤外線サーモグラフィ / 熱伝導解析 / 赤外線ハイブリッド法 / 3次元局所ハイブリッド法 / 応力拡大係数 / J積分 |
Research Abstract |
1.デジタル画像相関法による変位計測システムの開発 (1)SS400の試験片を用いた実験では、FEMとの平均誤差0.02ピクセル以下での変位解析が可能であった。 (2)き裂先端近傍のように、サブセットが多様な変形をする画像では、ニュートンラフソン法において2次以上の変形勾配を用いる必要がある。 (3)高次の変形勾配を考慮することにより、3次元有限要素法との誤差1%以内で応力拡大係数が評価できた。 (4)2次の変形勾配までを考慮すれば、0.02%程度の微小ひずみが誤差10%以内で評価できた。 2.3次元局所ハイブリッド法の検討 曲げ負荷を受ける表面き裂を有する構造物での3次元局所ハイブリッド法の適用性を検討し、以下の結果が得られた。 (1)局所モデルを単純に大きくすれば、より高い精度が得られるわけではない。 (2)局所モデルを大きくするのではなく、適切なサイズにすることで、高い精度を得る事が出来る。 (3)局所モデルの最適なサイズが幾つか得られていれば、近似式をつくり、最適な局所モデルサイズを予想することで、範囲は限定されるが精度良くJ積分値を評価することが出来る。 3.赤外線サーモグラフィによる応力場の逆問題熱伝導解析による検討 試験片の板厚と、実験時の周波数変化が、試験片内熱伝導に及ぼす影響を調査した結果、以下の結論が得られた。 (1)熱伝導の誤差の混入は、熱弾性応力測定の周波数の設定により大きく変化する。高精度の解析のためには20Hzや25Hzなどの高い周波数を用いることが必要となる。 (2)熱伝導の誤差を消去する非定常熱伝導逆解析を導入しても、低い周波数を用いた熱弾性応力測定による解析では、解析精度の向上は望めない。 (3)試験片の板厚の変化に対しては、熱伝導率の高い材料(C1100)において、板厚の増加と共に解析精度が低下する。 (4)高い周波数における熱弾性応力測定実験では、板厚方向の熱伝導誤差の混入は、無視できるほどに小さくなる。 (5)今後は、試験片表面の主応力和より算出した変位データから、3次元解析を可能とする、3次元赤外線ハイブリッド解析法の開発が課題となる。
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