2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシニングにより作製したマイクロエンジン構造体の高温疲労試験技術の確立
Project/Area Number |
16560086
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
李 年慶 立命館大学, 理工学部, 助手 (40373104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 吉正 立命館大学, 理工学部, 教授 (20257819)
鳥山 寿之 立命館大学, 理工学部, 教授 (30227681)
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Keywords | 疲労寿命 / 曲げ試験 / 原子間力顕微鏡 / シリコン / カンチレバー / マイクロ構造設計 |
Research Abstract |
第一年度で試作した完全両振りマイクロ曲げ疲労試験装置を用いて、マイクロ構造体の設計の際に必要となる、シリコンマイクロ構造体の疲労寿命を求めた。具体的には、一定荷重の下で、単結晶シリコン製マイクロ試験片の繰り返し疲労試験を実施し、S-N曲線を実験的に求めた。本研究で新開発した完全両振り曲げ疲労試験装置は、一軸PZTアクチュエータ上に設置したマイクロ試験片を、光てこ検出機構上に設置したツインカンチレバーによって挟み込んだ状態で、繰り返し往復運動させることで曲げ応力を同マイクロ試験片に付与する機構となっている。マイクロ試験片に生じる曲げ応力は、原子間力顕微鏡技術に基づいた光てこ検出機構によって、作動電圧値として出力される。本研究においては、ハード設計、システム設計、およびシステム制御プログラムを一貫して新開発することで、高精度な荷重制御の下でマイクロ試験片の繰り返し疲労試験を実施できるようにしている。 第二年度においては、ICP-RIEを用いたドライエッチング法で作製した、厚さ6μm、幅30μm、長さ100μmの片持ちはり型シリコンマイクロ試験片の繰り返し曲げ疲労試験を実施した。ここで、マイクロ試験片の長手方向は単結晶シリコンの<110>方向に、また、繰り返し荷重を受ける試験片表面は(100)面としている。繰り返し疲労試験の結果、同一応力下においては、試験片寸法が小さくなるほど疲労寿命が長くなる傾向が見られた。これは準静的曲げ試験結果と定性的に一致するものであった。一方、片振り繰り返し疲労寿命と完全両振り繰り返し疲労寿命との差違は、試験データ数が少なかったため、明確に見られなかった。今後、試験データ数を増やして、繰り返し負荷モードの違いが疲労寿命に及ぼす影響を、実験的に明らかにする必要があるといえる。
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Research Products
(2 results)